ジーン・ルエン・ヤン(Gene Luen Yang, 繁体字: 楊謹倫, 簡体字: 杨谨伦, 拼音: Yáng Jǐnlún, 1973年8月9日–) はアメリカの漫画家。現代の中国系アメリカ人の視点から社会や歴史を描いた児童向け作品で知られる。高校でコンピュータサイエンスを教えながら漫画を描いていた時期があり、グラフィックノベルやコミックについてコンベンションや各種学校、図書館で講義を行うことも多い。2012年にハムライン大学の教員となり、児童・若年向け創作の美術学修士ローレジデンシー課程に携わった。米国議会図書館によって2016年から翌年にかけて児童文学大使に任じられた。
アメリカに生まれても、白人に憧れても…… やっぱり僕は、中国人として生きていく 中国人移民2世としてアメリカに生まれ、白人になりたいと憧れるジン・ワン、 台湾出身の親友ウェイチェン、白人高校生ダニー、その「従弟」チンキー……彼らがアメリカのハイスクールを舞台に『西遊記』と織りなす奇想天外な物語。 アメリカ社会の「ステレオタイプな中国人」を確信犯的に描き、中国人のアイデンティティを問うた話題作。
舞台は1940年代。チャイナタウンからメトロポリスに引っ越してきたティーンエージャーの兄妹ロベルタ・リーとトミー・リー。なんと新居の近くに住むのは、あの有名なヒーロー“スーパーマン”だった! ある夜をきっかけに、二人はスーパーマンと秘密結社クランの戦いに巻き込まれてしまう。ロベルタとトミーはスーパーマンを助け、この戦いに勝利することができるのか?●収録作品●『Superman Smashes the Klan』#1-3(c) & TM DC.
兄妹達を守るため、シャン・チーが立ち上がる!シャン・チーは生まれた時から、父であるゼン・ズーと、彼がリーダーを務める犯罪組織、ファイブ・ウエポンズ・ソサエティに仕えるために訓練を受けてきた。ゼン・ズーの死後は組織の魔の手から逃れていた彼だったが、ある日、謎の刺客の襲撃を受ける。刺客を放ったのは、ファイブ・ウエポンズ・ソサエティの新たなリーダーにして、シャン・チーの生き別れた妹、シスター・ハンマーであった……。●収録作品●『SHANG-CHI』#1-#5
自分のアイデンティティに悩む中国系移民2世の高校生を描く、全米の学校で読まれているベストセラー作品! 西遊記の物語、中国系2世のジン、ステレオタイプな中国人の従弟に悩まされる白人のダニーの3人の物語が同時進行していく。 この3人の物語が最終的にひとつに融合していくストーリー展開がほんとうにスゴい! ダニーを悩ますステレオタイプな中国人の従弟チンキーが登場するパートでは、コメディドラマを模していて、コマの下に拍手や笑い声が入っている。だが、よく考えると笑えないシーンだったりするのだ。 この作品はもちろん中国系移民の物語なのだが、ジンが抱くコンプレックスや劣等感を自分のそれと置き換えて読むことができるようにも感じた。 コンプレックスを克服しようと孫悟空のようにがむしゃらに努力したり、それを切り捨てて理想の姿になったつもりでもダニーの章で登場するチンキーのようにチクチクと劣等感がうずく。 結局はコンプレックスや劣等感を感じる個性も含めて自分のものであり、そのままの自分でいいのだと認めることができるようになるまでの成長物語なのだと思いました! ぜひ自己肯定ができずに悩んでいる青少年にも読んでもらいたい一作です!
本作の最大の特徴は登場人物の異なる3つのパートに分かれて物語が展開することです。中国系アメリカ人の少年ジン・ワンの学校生活、全能神ツェ・ヨ・ツァーと猿の王孫悟空の伝説、従兄弟の中国人「チンキー」と暮らす白人の少年ダニ―の物語。 原書は2006年刊行ということですが、まったく古臭さを感じさせない視座に、なるほど2020年に邦訳が出るのも納得と感じました。(と同時に依然としてこうした物語が要請されるというか、需要があることにもちょっと複雑な気持ちになりますが…) 登場人物たちはそれぞれに、自身がその空間におけるマイノリティであることを感じており、みなアイデンティティの問題を抱えています。「自分が自分であること」をなかなか受け入れられずに、さまざまな問題を引き起こしていくようすは胸に迫るものがあります。その過程でなぜ3つのパートで物語が構成されているのかも徐々に明らかに…。 差別や偏見についてのメッセージ性もさることながら、交錯する3つの物語がひとつのテーマに向かって収束していくのはドキドキしますし、エンターテイメントとしてまず楽しめます。テーマがテーマだけに敬遠する方も居る気がしますが、あまり身構えず手にとってほしいです。読み終わった頃にはきっと前向きな気持ちになれると思います。
自分のアイデンティティに悩む中国系移民2世の高校生を描く、全米の学校で読まれているベストセラー作品! 西遊記の物語、中国系2世のジン、ステレオタイプな中国人の従弟に悩まされる白人のダニーの3人の物語が同時進行していく。 この3人の物語が最終的にひとつに融合していくストーリー展開がほんとうにスゴい! ダニーを悩ますステレオタイプな中国人の従弟チンキーが登場するパートでは、コメディドラマを模していて、コマの下に拍手や笑い声が入っている。だが、よく考えると笑えないシーンだったりするのだ。 この作品はもちろん中国系移民の物語なのだが、ジンが抱くコンプレックスや劣等感を自分のそれと置き換えて読むことができるようにも感じた。 コンプレックスを克服しようと孫悟空のようにがむしゃらに努力したり、それを切り捨てて理想の姿になったつもりでもダニーの章で登場するチンキーのようにチクチクと劣等感がうずく。 結局はコンプレックスや劣等感を感じる個性も含めて自分のものであり、そのままの自分でいいのだと認めることができるようになるまでの成長物語なのだと思いました! ぜひ自己肯定ができずに悩んでいる青少年にも読んでもらいたい一作です!