江戸を目指し、北へと進む大型商船「そらりす丸」。何者かに羅針盤を狂わされた船は、魍魎跋扈する妖の海へと誘われる。船を迷わすは何者か…怪異がさまよう恐怖の海上で再び、「薬売り」が姿を現す。
「モノノ怪を産み落とすつもりか?――」ヒトの業が産みだしたモノノ怪、座敷童子。この世に産まれることが叶わなかった赤子のモノノ怪は、一人の身重の女の腹を借り産まれようと願う。罪なき座敷童子を産んでやりたいと云う女に対し、薬売りが告げる残酷な真実。モノノ怪史上最も哀しき物語、“座敷童子編”いざ開幕――。
見えぬ、聴こえぬ、触れられぬ。しかし確かに其処にあるもの。香の判別を競う「組香」で一人の姫を取り合う四人の男たち。次第に明らかになる彼らの業とは裏腹に姿を見せぬモノノ怪鵺。見る者によって形を変えるモノノ怪鵺が生み出す怪異とは。京の屋敷に香が満ちる時、貴方も、鵺に騙される。
「貴方が本当に殺したのは――誰だ?」自らの夫・姑を始めとする、佐々木家一家惨殺の咎で死罪を申しつけられ、牢につながれている女・お蝶。薬売りは事件の背後に、モノノ怪が存在するとあたりをつけた。そこへ能面をまとった謎の男が現れ、お蝶を牢から連れ出そうとするが…!? 小さな恋をしたモノノ怪と罪人・お蝶の、哀しき御伽噺、ここに開幕――。
「モノノ怪」シリーズ最終章、開幕。時は大正時代――。地下鉄の新路開通式。人々の期待を乗せ、地下鉄は発車する。ところが、運行中の列車から乗客達が消失。取り残されたのは7人のみ。そこに現れた、謎の薬売りは告げる。これはモノノ怪の仕業だと…。もっとも凶暴で残虐なモノノ怪が、7人の乗客に牙を剥く。
「モノノ怪」シリーズその原点『化猫』、新装版で登場!江戸時代の武家・坂井家。この家にはなぜか、猫がいない。孫娘の輿入れが行われようとしたその日、花嫁は無残にも惨殺される。次々と起こる怪死事件。屋敷に居合わせた、謎の薬売りは告げる。これは化猫の仕業だと…。はじまりの物語『化猫』、ここに開帳。