ある日、作者ギベールはアメリカ人、アラン・イングラム・コープと出会い、親交が始まる。アランの戦争体験を聞いたギベールはBDにすることを申し出る。ギベール30歳、アラン69歳のときだった。生涯を大きく決定した戦争体験という青春の日々―訓練で出会った戦友たち、フランス・ドイツ・チェコの行軍で知り合った人びととの交友―を振り返るアランの人生が、淡々と、ユーモラスに彩られていく。節制された筆致で、戦争のなかの日常の記憶がアランの声とともに再生し、見事に結晶化された、戦争バンドデシネ作品の傑作。