先月の新刊を語る会【2019年3月発売新刊漫画】
山本純士/棚園正一
『鬱ごはん』(3) 施川ユウキ
『エルフと狩猟士のアイテム工房』(2) 葵梅太郎
『賢者の学び舎 防衛医科大学校物語』(3) 山本亜季
『ハーン ‐草と鉄と羊‐』(6) 瀬下猛
『Change!』(4) 曽田正人/冨山玖呂
『傘寿まり子』(9) おざわゆき
『部長が堕ちるマンガ』 中村朝
『こじらせ☆ルサンチガール』 裏ロジ
『うちの妹は顔真っ赤。 ~ゲームライフ365~』 すおしろ
『疑似ハーレム』(1) 斉藤ゆう
『ダディダーリン』菅辺吾郎
『ロストバージン』那木渡
『獣人さんとお花ちゃん』 柚樹ちひろ
『抱かれたい男1位に脅されています。』(6) 桜日梯子
『ヤンキーの津田くんは生徒指導の増田先生と仲が悪い』多賀
■ 海外マンガ
『P.T.S.D.』
『SACCAGE』
『LES BRÛLURES』
『BOULE DE FEU』
『La ZAD』
■ そのほか・雑誌・3月以外の新刊
『さんかく窓の外側は夜』(7) ヤマシタ・トモコ(4月新刊)
『狂い鳴くのは僕の番;β』(2) 楔ケリ(2月新刊)
『ミッドナイトレイン』CTK
『半神 自選短編作品集』萩尾望都Perfect Selection 9
『月刊flowers』5月号
『萩尾望都スペースワンダー 11人いる! 復刻版』
『学校へ行けない僕と9人の先生』でご自身の体験に照らし合わせ教育のエピソードを描いて世に一石を投じた棚園正一さんが、『15メートルの通学路』の山本純士さんを原作に据えてまた新たにこの社会における「教育」のあり方を描いた作品です。 本作はサブタイトルにある通り、長期入院する生徒・児童を対象とした「病院訪問教育」をメインテーマにしています。私もこの本を読むまで病院訪問教育については全くの無知でした。しかし、誰しもがいつどのような形で関わることになるか解らないのでその実情を知るために読んでおいて損はないと思います。 体だけでなく心まで深く傷付いてしまいまともにコミュニーケーションも取れない子供たちに対して奮闘する新米のヒロインの姿を見ながら、「自分だったらどういう対応ができて、どういう結果に繋がっただろうか」と考えずにはいられませんでした。 「健康に生きられることは当たり前ではなく、掛け替えのない時間である」ということ、「一生懸命に、特に誰かのために一生懸命に生きることの尊さ」、「望んだ結果が出なかったとしても自らのなし得る最善を目指して努力する大切さ」などメインテーマ以外のことも強く思わされる内容でした。 教育に関わる方には特に、またそうでない方にも一読してみて欲しい一冊です。