私が定期的にこの作品を読み始めてもう10年以上経ちますが、この手のオカルトっぽい作品が長く続くというのは、ほんとに珍しいのではないでしょうか。それは、恐怖報告という副題がついているにもかかわらず、怖がらせることに重点を置いていないからなのではと思います。著者である山本まゆりと友人で霊能力者の寺尾玲子が出会った奇妙な現象や、玲子の元に寄せられる心霊相談を受けての話を漫画化した構成。山本まゆりは他雑誌で霊能力者もののオリジナルを執筆していますが、本作では実録ということもあり、エンタメ要素を極力排除して怪異の核心を突くように描いています。で、読後に感じるのは、世の中不思議なことがあるもんだな、ということと、こういうことをするとこんな良くないことが起こるんだ、ということ。怪談落語や昔話にも通じる訓話めいた味わいがいいのですね。もちろん、魔を祓うという部分でのカタルシスもたっぷり。ひょっとしたら漫画にできないような失敗も…、なんて思わせない玲子のスーパーウーマンぷりがカッコいいです。
私が定期的にこの作品を読み始めてもう10年以上経ちますが、この手のオカルトっぽい作品が長く続くというのは、ほんとに珍しいのではないでしょうか。それは、恐怖報告という副題がついているにもかかわらず、怖がらせることに重点を置いていないからなのではと思います。著者である山本まゆりと友人で霊能力者の寺尾玲子が出会った奇妙な現象や、玲子の元に寄せられる心霊相談を受けての話を漫画化した構成。山本まゆりは他雑誌で霊能力者もののオリジナルを執筆していますが、本作では実録ということもあり、エンタメ要素を極力排除して怪異の核心を突くように描いています。で、読後に感じるのは、世の中不思議なことがあるもんだな、ということと、こういうことをするとこんな良くないことが起こるんだ、ということ。怪談落語や昔話にも通じる訓話めいた味わいがいいのですね。もちろん、魔を祓うという部分でのカタルシスもたっぷり。ひょっとしたら漫画にできないような失敗も…、なんて思わせない玲子のスーパーウーマンぷりがカッコいいです。