第150号】働かないアシスタントを雇っていた理由とは? | 漫画家 山田玲司 公式サイト
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山田玲司のヤングサンデー 第150号 2017/8/28 働かないアシスタントを雇っていた理由とは? ━━━━━━━━━━━━━━━━ おことわり:このコラムは、ニコニコチャンネル「山田玲司のヤングサンデー」で配信されているメルマガを全文転載してお送りしています。転載期日が2018年4月下旬以降の号は、テキストのみを抜粋・転載しております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━ その頃、僕の漫画の仕事場は、昼の1時に集合するのが決まりだった。 そんなに無理のある集合時間とは思えないし、仕事場も埼玉とは言え東京寄りで、交通の便もいい所にある。 なのに「あいつ」は集合時間がとっくに過ぎた午後3時頃に、まったく悪びれずに入って来たものだった。 「あいつ」とはそうです。今週の放送で話題にしていた僕の元アシスタント「ウエダハジメ」です。 彼は大学時代の漫研の後輩で、当時そのサークルにはプロの漫画家の在校生は僕しかいなかった。 なので、入って来る新入部員は僕にある種の「敬意」みたいなものを持って接してくれていたし、僕の方もそんな後輩を大事にしていたわけです。 なのにこの後輩「ウエダハジメ」は、とにかく偉そうだった。 普通に考えたら、そんなヤツをアシスタントにするなんて考えられない。 いや、むしろその態度に怒り出す人もいると思う。 でも、僕はすぐに「その青臭い態度」が、自分の中の「何か」を守るための「武装」であることに気づいた。 それを見抜いていたのは僕だけじゃない。彼の同級生の多くが彼の「恐ろしく純粋な部分」に気づいていた。 彼はいわゆる「特撮オタク」で、特に昭和のヒーローモノが好きだった。 僕は彼を思い出す時いつも「快傑ズバット」を思い出す。あんな感じで生きているのだ。 その他にも政治的なドキュメンタリーなんかも好きで、なんだかんだ詳しい男だった。 彼が好きな「70年代のヒーローモノ」は、とにかく「虐げられたものたちの思い」が描かれている。