この作品で印象深いのは「言葉の通じなさ」だ。 カフェ店員の主人公女性が、お客の着物美女を師匠と仰ぎ着物文化に入ってゆく物語だが、この主人公、徹底的に素人。文化が違う。 師匠が発した言葉が誤変換されて主人公に届くやりとりが面白いのだが、そこにあるのは完全な文化の断絶。懸命に喰らいつく主人公だが、一つの用語を理解するまでがもどかしい。 私は着物文化に憧れて、いくつかの着物マンガ(『恋せよキモノ乙女』『またのお越しを』など)を読むのだが、知識が足りずについてゆけないことがある。詳しく解説がついているにも関わらずだ。 『銀太郎さんお頼み申す』は、主人公のゆっくりな理解速度が素人の私を置き去りにしない。そして彼女に教える師匠や周囲の女性たちが(時々呆れながらも)きちんと教えてくれるのが良い。失敗のフォローも優しい。 主人公はどうして助けてもらえるのか。それは彼女が本気で喰らいついているから……それくらいしか今のところ思い当たらないが、案外そういうことが大事なのかもしれない。 恐らく私が未だに着物物文化を理解できないのは、そこに入ってゆかないから。一方本作の主人公は無知だが、自分の求めるものはこれと決めて飛び込み、上手くいかなくても諦めず、少しずつでも成長を喜ぶ。そんな姿勢が文化を楽しむための、いちばんの「センス」だとしたら……そう思うと、不器用な彼女を羨ましくさえ思った。
作者の高校性の時のお話。ドタバタばりギャグあり、でもシビアな面もありと読んでいてあきがこないので面白い。漫画家になりたい人は参考になるかも
ドラマを見て、原作を読みたくなり見ました。 実写化の再現率高いです!!役者の皆さんピッタリです!! 1話目からドラマのまんまでした。殺めてしまう人たちには、切なくて悲しい思いがあり、苺ちゃんが言うように世の中ハラスメントで溢れてるのかもしれません。 そして、気づかないうちにハラスメントをする側になってしまう人もいる。 その行為に手を加えるよう指示するマリアさんも、何の目的があってそうなったのか、昭和臭のある明智さんの過去や苺ちゃんとの今後の関係など色々気になるところです。内容はすこしグロいとこありますが、面白いです。
初代の東京タラレバ娘と違うので楽しめます。 現代ながらの生活スタイル、価値観に悩みながら自分らしさを模索して生きる女性のリアリティな漫画です。なんとなく過ごして30代、他人事ではない気がします。たまにギャグもおりまざる哀愁シリアスがいいです。 これと言った夢や目標のなかったヒロインが、小学生の時に埋めたタイムカプセルをきっかけに夢に向かって漠然とではあるが進み出す。続きが気になるし、応援したいです!
上手くいきそうでいかない恋愛模様を描きつつもハイテンションギャグと可愛いらしいファッション。そして登場人物達には雨水館を守り戦うという共通の使命があります。 電車で読むと危険な程のギャグの嵐です。東村ファンを裏切らない展開になっています。 しかし、だからこそ展開が遅く少しモヤモヤするところもあります。 東村ファンならそこら辺は気にならないはずですが、特にそうではないという人は若干じれったく感じるかもしれません。いずれにしても、男女問わず気軽に読める良作であると思います。こんな寮があったら遊びに行きたいです!
さすが東村アキコと言うべきか めちゃくちゃ読みやすく面白いです! 銀座にこういう人…いるいる! 自分も着物全く詳しくないので主人公のさとりと同じ立ち位置です。 そっからこの着物に詳しい銀太郎さんに色々教わる… 着物、奥が深い! そしておもしろーい!!
5巻まで読了。 韓国の男性は、本当に優しいし、愛の言葉も素直に言ってくれるし、大切にしてくれるし、年下だと、更に、かわいい💓 鐘子も早く、本当のことを言って幸せになって欲しい。 出会えたのは、きっと運命♬ が、ジョバンヒの病気が・・・。 お姉ちゃんの不倫は、ハマりすぎてて、きっとバレる。 その時に、片棒を担いだ鐘子は、どうなるのだろう。 全面カラーで、読みやすいので、あっという間に読めちゃいます。
あの時あの男と結婚しとけば、別れなければ、もう少し我慢出来れば...タラレバ。 そんな、タラレバがこの漫画にギュッと詰まっている。 男でもありますよね、あの時もっと強く押せば行けたかも、あの時感情に流されず我慢していれば・・・・ 今頃こんなんじゃなかったな・・・・ タラレバは人間の真理です。 女性の方だと共感できる内容だと思います。 でも男性も大丈夫!! 女子会の話を盗み聞きしているみたいで、面白いですよよ。
この漫画は、「海月姫」や「東京タラレバ娘」で知られる大人気漫画家、東村アキコ先生の自伝となっています。 漫画の内容は美大を目指す女の子の話です。 現代では絶対にNGな竹刀を装備した、熱血教師日高先生が印象的でした。 見た目は竹刀を持ったチンピラヤクザ。 常に人生を本気で生きているタイプの人間。 自伝なので、全て実話のようです。 昔の教師はみんな日高先生のようだったなと、懐かしむ事ができますね。 (現代ですと、PTAからレッドカードをもらって、TVがワイドショーで取り上げる内容ですw) 下積みの辛さ、基礎の重要性、感謝、愚かな人間の姿を綺麗に表現しています。
東村アキコ先生は漫画家業だけではなく芸能プロダクションも運営されているのですが、所属芸人さん達と行われている配信ラジオ「身も蓋もナイト」がとても面白いです。リスナーさんのお悩み相談をする番組なのですが東村先生の近況や作品について語られることも多く、何度も「自分の作品で一番好きなのはメロポンだし!」とおっしゃっていたので読んでみました。 地球のテレビ番組が大好きな宇宙人の男の子・メロポンが芸能活動に憧れて原宿に家出して、居候先の便利屋のお兄さんを巻き込みながら夢を実現しようとするギャグ漫画です。最初は笑えるというよりもメロポンが可愛いな〜の方が大きくて、後書きによるとメロポンのモデルが息子さんらしいのでそれもあって思い入れが強い作品なのかなと思いましたが、中盤でメロポンが小劇団を乗っ取って座長になった辺りからギャグ漫画家としての本領発揮という感じがしました。ドラマ温泉刑事(どう見ても相棒)の亀谷刑事役の人が便利屋のお兄さんの母親が教祖をしている宇宙系の宗教に入信しちゃったのがツボでした。 一度も重版されたことがないそうなので私と同じく未読な方も多い作品のようです。前述のラジオでの情報ですが「またギャグ漫画を描く!!」と宣言されていたので予習として読まれるのもオススメです。ちなみにフルカラーですよ!
この作品で印象深いのは「言葉の通じなさ」だ。 カフェ店員の主人公女性が、お客の着物美女を師匠と仰ぎ着物文化に入ってゆく物語だが、この主人公、徹底的に素人。文化が違う。 師匠が発した言葉が誤変換されて主人公に届くやりとりが面白いのだが、そこにあるのは完全な文化の断絶。懸命に喰らいつく主人公だが、一つの用語を理解するまでがもどかしい。 私は着物文化に憧れて、いくつかの着物マンガ(『恋せよキモノ乙女』『またのお越しを』など)を読むのだが、知識が足りずについてゆけないことがある。詳しく解説がついているにも関わらずだ。 『銀太郎さんお頼み申す』は、主人公のゆっくりな理解速度が素人の私を置き去りにしない。そして彼女に教える師匠や周囲の女性たちが(時々呆れながらも)きちんと教えてくれるのが良い。失敗のフォローも優しい。 主人公はどうして助けてもらえるのか。それは彼女が本気で喰らいついているから……それくらいしか今のところ思い当たらないが、案外そういうことが大事なのかもしれない。 恐らく私が未だに着物物文化を理解できないのは、そこに入ってゆかないから。一方本作の主人公は無知だが、自分の求めるものはこれと決めて飛び込み、上手くいかなくても諦めず、少しずつでも成長を喜ぶ。そんな姿勢が文化を楽しむための、いちばんの「センス」だとしたら……そう思うと、不器用な彼女を羨ましくさえ思った。