私の生まれた町は坂が多かった。そして坂の途中には、いつもこの人が――。坂道でしか素直になれない少女の片思いを描いた表題作「坂の町」ほか、恋人に浮気をすすめる女の子や彼氏の愛を確かめるためにかぐや姫になっちゃう彼女など、女の子と恋を丁寧かつ破天荒に描いた短編集。描き下ろしも収録。
離婚と結婚を繰り返す奔放な母の元で育った実乃里は、母へのコンプレックスから20歳になっても恋愛に奥手なままの大学生。ある時、ふらりと立ち寄った彫刻展で、実乃里は美しい彫刻に目を奪われる。そんな彼女を見ていたのは、作者である長谷夏海だった。運命的なものを感じた夏海は、実乃里を引き止め、“モデルになってほしい”と頼み込む。それからというもの、モデルと作家の関係を越えて口説かれ戸惑う実乃里だったが、本気を思わせる夏海の態度に、だんだんと惹かれていき…。しかし時を同じくして、実乃里の母が家に連れてきた相手は…!? 女たらしのイケメン彫刻家×恋愛経験ゼロの女子大生が織りなす、ピュアラブストーリー!