『不苦の良薬』――苦くない、誰でも飲みやすい良薬こそ至高。後宮の官女・英鈴は、そう志して女だてらに薬師を目指している。ある日、後宮で薬茶を売り始めると、珍しい処方に興味を持った皇帝から呼び出される。すると、「甘党の余のために、苦い薬を飲みやすくしてほしい」と、皇帝専属のお薬係に任命された。処方を気に入られた喜びも束の間、妃に昇格すると言われてしまい……?「私が目指しているのは、妃ではなく薬師です!」皇帝のお気に入りが「おいしい処方」を掲げて活躍する、中華おくすり物語!
東京に住む16歳の櫻井小春は、ある理由から中学の終わりに不登校になってしまう。そんな折、京都に住む祖母・吉乃の誘いで祇園の和雑貨店「さくら庵」で 住み込みのバイトをすることになった。 吉乃を始め、和菓子職人の叔父・宗次朗や美形京男子のはとこ・澪人など賑やかな家族に囲まれ、小春は少しずつ心を開いていくのだが、「さくら庵」や家族たちには、ある秘密があって……!?
やさしさすぎてセツナクナル――。明るいムードメーカーの俊輔と無口だけどやさしい拓己、彼らは私(亜優)の大切な幼なじみ、不器用な私をずっと守ってくれた…。小3の時に出会い、このまま一緒に大人になるのだと信じていた、でも高2の夏、それは壊れた――。「困ったら俺に言えよ」「いなくなっちゃったら寂しい」「あいつに電話してやれよ」それそれの“好き”が絡み“やさしさ”が解いていく時間。壊れそうだけど壊したくない、そんな甘ずっぱい三角関係を丁寧に描いた青春群像劇。