この物語は人生の再起を賭けて自らの体験を原稿用紙に叩きつけた一人の漫画家の魂の記録である。受給者数213万人(2017年8月厚生労働省発表)の生活保護制度。通称「生ポ」といわれるこの制度の受給申請から受取りまで、貧困の切実な現場と併せて、受給者自らの視点で描いた生ポドキュメント漫画である。 そこは負のオーラをまとった社会の底辺の吹き溜まりに思えた。連載雑誌の休刊、リニューアルでリストラ…気がつけば通帳の預金残高は危険信号。追い討ちをかけたのは糖尿病の悪化による失明危機だった! 絶対絶命の窮地の中、漫画家は最後の手段として生活保護受給申請を決断する。しかし、意を決して足を運んだ福祉事務所は沈んだ空気に包まれていて…。本作を描き上げた約1ヵ月後の2018年2月、著者は死去。晩年の悲痛な思いが綴られた創作ノートを特別併録。
ここには失われた恐怖がある――。2018年に志半ばでこの世を去った、怪奇漫画家の吠夢。遺作『生ポのポエムさん』(エンペラーズコミックス)で知られる彼が描いてきたのは、「人間の中に潜む異なるモノ」だった。教師を襲う戦慄の心理スリラー「葬式ごっこ」、山村の怪物譚を描く「蟲伝説」、現実と電脳世界が交錯する「ダーク・ポケッツ」など、奇妙な味わいのある異形の傑作ホラー8編を収録!
オフィスの花、英子と陰気でデブの美子は親友。周囲からも月とスッポンだと思われていた二人だが、心は繋がっていると美子は信じていた。しかしある日、美子は引き立て役として英子に利用されていたことを知ってしまう。そんな折、人生コンサルタントを名乗る岸和田という女から、英子のように美しくなる方法があると持ちかけられる。不審に思いながらも、女の誘いを受けてしまった美子。不思議な人形工房で、英子の毛髪を使った怪しい儀式が行われ……。午前零時、英子と美子の顔は入れ換わり、美子は憧れの美貌を手にする。だが、これが思いもよらぬ惨劇の始まりだった――!?
ふと気付くと“私”は夢の中で見知らぬ電車に乗っていた。しかもその車内では何匹もの猿たちが乗客を次々と傷つけている。次は“私”の番だ……!! “私”は必死で夢から覚めるよう念じたが……!! (この作品はネットの中の怖い話 vol.1に収録されています。重複購入にご注意ください。)