永田カビのマンガ家人生は、メンヘラ賢者といえるほどマネできない
Zakkan-vivi
いつもマンガはレンタルで借りる事が多くて、 購入することは割と少ないのですが、 永田カビさんの漫画は思わず、買ってしまいました。 残しておきたい。っとそう思った。 2015年に「さびしすぎて風イ谷に行きましたレポ」という 漫画が大ヒットしたマンガ家さんです。 ※大人の事情により、ちょい伏せ字?にしてます。読みづらくてごめんね。 この漫画は海外での受賞経歴もあり、 2017年のこのマンガがすごい大賞! 第3位にもなっていて、その注目度が伺えます。 ただ、割と知らない人も多いようなので、 永田カビさんの魅力と漫画「1人交換日記」と 「さびしすぎて風イ谷に行きましたレポ」の感想を ネタバレなしで書いていきます。 ビビ 永田カビさんは、過去に摂食障害や、過食症、 リストカットなどの自虐行為、仕事を何度も辞める、 親との依存、呪縛、引きこもり、コミュニケーション障害。 様々な苦難を、その当時の葛藤や苦しみを そのまま真空パックで漫画にしている。 とても珍しいエッセイマンガ家さんです。 よくこれだけ自分をさらけ出せられた。と思う。 とても勇気が要ることだと思う。拍手を送りたい。 誰もが抱える心の葛藤や、心の病を抱えている人が持つ 心の中でゴチャゴチャに絡まった気持ちの配線を、 丁寧に1本1本紐解いて分かりやすく、 どのように迷ったか、 どのように苦しいのか、 なぜそんなことを思うのか、 その原因は何か。 飾らない言葉や分かりやすい例えで 描かれた心の動きは、きっと 辛い経験や自殺未遂をした経験のある人なら、 誰しもが共感する内容だと思います。 永田カビさんの特長が何より等身大の感想、 表現でマンガを描いているところです。 漫画にしている時に、多少脚色はしているとは思いますが、 90%以上そのまんまの気持ちをひねり出して 描いているのでは?と思うほど、リアルです。 画像出典:さびしすぎてレズ風イ谷に行きましたレポ(永田カビ著) 実は、この気持ちを捉えるというのが、難しいんです。 過去例えば、人を好きになった瞬間のことを思い出して、 言語化して欲しい。なんて言われたら、どうでしょう。 言語化できますか?おいしい物を食べた瞬間の心境を、 書いて欲しいなんて言われたらできますか。 何より、永田カビさんは今まさに、 胸にポッカリと空いた穴から、強い突風がビュンッ!と 吹いてきたその瞬間の気持ちを、砂粒1つも逃がすことなく、 捕まえ、拾いあつめて小瓶に詰め、 大事に持ち抱えることのできる人です。 その安定感はハンパなく、難しい心の動きを紐解いて、 作品に仕上げるという。ものすごく難易度の高いことを、 平然とやってのけます。 画像出典:1人交換日記(永田カビ著) きっと何度も自分と向き合ってきた永田カビさんだからこそ、 できる芸当でしょう。おそらく実際は、かなり捻り出すのに 苦労していると思いますが、 すごいです。 先程もちらっと書いたのですが、 まさにその時、その瞬間の心の動きや 気持ちを詰め込んだ小瓶を家に持ち帰り、 視点の抽象度をどんどん上げていき、 自分を超客観視した状態で、難解な心の動きを、 自分と向き合ってうまく形に表現します。 あなたは、自分がなぜあの人に怒ったのだろう。とか、 なぜあんなに酷いことを言ってしまったんだろう。とか、 なぜ喧嘩するのだろう。 とか、そんな事考えても、 正直、日々に忙殺され、その問いと向き合う。 自分とじっくり向き合って なんて人は少ないはずです。 そうして、向き合われなかった心のモヤモヤした気持ちは、 後回しにされ、そうこうしていく内に、 心の深いところで、傷として暴れ始めます。 普通の人はこうなんです。 自分の本音を無視して、向き合おうとしないんです。 自分の負けを認めたり、自分の情けなさに触れたり、 自分の弱さに触れようとすることって、恐いもの。 永田カビさんは、みんなが置き去りにした 心の葛藤の闇の中に、自ら進んで入り込み、 うなされながらも、その原因や行動の理由を 分かりやすく漫画にしてくれています。 普通の人でもできませんよ。そんなこと。 やってる事は、賢者や修行僧のそれに近いです。 昨今のお坊さんでさえ、 そんな苦しいことする人は少ないです。 ほんと尊敬します。 メンヘラでありながら、賢者である。 そう言わざるを得ないでしょう。 ストーリー含めて当たり前ではありますが、 マネしようと思ってできるものじゃありません。 彼女の特殊能力は、気持ちという 目に見えないモノを、うまく紐解くのみならず、 それを表現する際に、うまい例えを使って 表現するのですが、それが毎回絶妙です。 画像出典:1人交換日記(永田カビ著) ...