はるか昔、北方の地では、覇権をめぐり肉親間でも血で血を洗う争いが繰り広げられていた。戦国乱世の時代を駆け抜けた、ノルウェー王オーラブ・トリュグヴァソンの物語。時は少年を戦士に変える…。
光と闇の魔術が織り成す世界…パイラザーダ。そんな世界に、「世界の調和」を人間に具現化した存在である、レガとイリアーが目覚める。しかし、その2人には、邪悪なナルド教の魔の手が忍び寄っていた…。
ライン河の黄金で作られた指環を持つ者は、世界を手に入れることができるという。そんな権力の指環を巡って、神族、巨人族、人間らが繰り広げる壮大なSFストーリー。
表題作で、限りがある命の重さを説いた「天涯宮殿」の他に「輝きの都」、「生命の花」、「選ばれし者は独り」、「嵐の夜の物語」を含めた全5作品を収めた、あずみ椋の魅力が詰まった傑作集。
主人公は18歳のオルガ・オルブライト。12歳で大学に入学するなどの頭脳明晰な天才少年であるが、なぜか「トラブルマスター」の異名を持っている。見かけによらずナイーブな弟のスパージと力を合わせて、次々と彼らの身に降りかかる事件を解決する姿が、読者を爽快な気分にさせる作品。
「異端狩り」が熾烈を極めた時代、秘密結社「薔薇十字団」が行う錬金術は、神への冒涜行為とされ弾圧対象にあった。己の記憶を作り変え、別人としての人生を歩んでいた錬金術師レオン。賢者の石、ホムンクルス、そして過去。彼の秘密が今、明かされる…!
9世紀、ノルウェーには「神の槍」と名づけられた少女がいた。彼女は婚礼の宴の最中にヴァイキングに襲撃され、そのままさらわれてしまう。やがて海の上で目覚めた彼女だったが…。
ディース―魔性の女、神性の女―彼女こそ、この世のすべての人々がひざまずく精霊(デーモン)なのだ。彼女に魅入られた者は、みな黄泉への道をつきすすむという…。あずみ椋が白夜の国北欧を舞台に描く、悪の華で彩られたヒロイック・ロマン。
生まれてすぐ父に捨てられたリュー。アース神のロキに拾われ、育てられたリューは、13年ぶりに生家に戻ると、彼の生誕にまつわる秘密が判明する。彼を待ち受ける運命とは? 北欧神話を舞台に若きヴァイキング「リュー」を描いた壮大な物語。
戦いを繰り返していたレギン一族とグラーシーザー族。そんな折、両軍の将であるゲイルとラグナルは死闘の結果、共に重体となる。そこに現れた謎の女・シグルーンがラグナルの魂をゲイルの肉体に移してしまう…。北欧神話を舞台に繰り広げられる、愛と悲しみの復讐劇がここに幕を開ける!
物語の幕開けは、1879年のシドニー。船乗りのレオンの前に、突如ヴォルフと名乗る男が現れた。初対面のはずなのに、ヴォルフはレオンに対して妙になれなれしい態度でこう語った、「私は人を探して旅をしてるんだ、世界中。気が遠くなるほど長い年月、探し続けているんだ―…」。さらに、乗組員全員が死亡していた謎の漂流船唯一の生き残りの美少女ラピスと出会い、自らの存在に疑問を抱き始めたレオン。疑ったこともなかった自分の記憶。しかしその記憶はすべて作り変えられたものだった!!真の覚醒の時が彼に訪れる……!?
はるか昔――9世紀のこと。北の果てノルウェーに“神の槍(アースゲイル)”と名づけられた少女がいた。彼女の婚礼の宴の最中、ヴァイキング“夏鳥”のレイヴに襲撃され、戦利品とともにアースゲイルも奪われてしまった!鷹のような鋭い瞳を持つ彼女には、“神の槍”を取り戻し、果たさねばならない使命があった―…!!表題作「神の槍」のほか、アールヌーヴォーの画家アルフォンス・ミュシャが出会った男が語る、サラ・ベルナールのラブストーリー「薔薇の柩」、ドイツの古城を舞台に禁断の愛憎劇を描くオカルト・ロマン「聖アントワーヌの呪縛」を同時収録。
オルガ・オルブライトは12歳で大学へ入ったクールな天才美少年だが、なぜか“トラブル・マスター”の異名を持っている。解剖実習用の死体洗いのバイトをしている医学部のマリオンは、「ここ2ヶ月の間に2体の死体が盗まれた」のだと困り果てて、相談を持ちかけてきた。彼女のトラブルを引き受けることにしたオルガと弟のスパージ。動物愛護を唱える政治家サー・ジョンが主宰する「美食の会」に疑惑の目を向けた、オルガたちの行く手に待ち構えていたのは――…!?
十世紀末、ヴァイキング時代の北欧・ノルウェーでは統一君主ハラルド美髪王の死後、王族による覇権争いが続いていた。ノルウェー東部ヴィーケンの王トリュグヴィは、従兄弟のハラルドとその母グンヒルドによって謀殺され、王妃アストリーズは逃避行の途中で、嫡男オーラブを生んだ。オーラブ3歳の時、アストリーズの兄でロシアのノヴゴロド公国の高官であるシグルズを頼ってバルト海を渡るが、洋上でエストニアの海賊クレルコンに襲われ、母子は別々に奴隷として売られてしまった…!!
聖ミカエラ女学園高校西寮のはずれにある「開かずの666号室」に、夜中になると徘徊する魔物が住んでいるという噂が流れた。自称“なつかれ体質”という姉御肌の椎名燿子が666号室を調査したがために、なつかれてしまったのは、巨大ウミウシ状不定形生物<ミカエル>だった!さらに、学園長マザー・ステラが処女懐胎して生まれた謎の金髪美少年ミカエルが、女性に変身して転入してきたことにより、学園では大騒動が巻き起こる!!
白い宮殿に水が満ちる時、“母なるもの”に気づいたサジット。罪人として絞首台に上ったはずの彼が見たのは、幻想(ゆめ)か現実(うつつ)か…?限りある命の重さを描く表題作「天涯宮殿」、ローライル帝国の皇族に生まれながらも、大祭司として生きる道を選んだサリカとその守護精霊・竜王ジェンの物語「輝きの都」のほか、「生命の花」「選ばれし者は独り」「嵐の夜の物語」の5作品を収録した、あずみ椋の傑作集。
我々の世界からはるか次元の深淵を越え、光と闇の魔術が織りなす世界――パイラザーダの物語。百年に一度の世紀の満つる年に、アルジューナのふたり、レガとイリヤーが目覚める。アルジューナとは宇宙の隠れた柱のことであり、『世界の調和』を人間の姿に具現した存在なのだ。そんなレガとイリヤーのふたりに邪悪なるナルド教の魔手が迫る……!!あずみ椋が創造する『世界の存在を問う宇宙神話』の傑作が登場!
ディースは女神――それは魔性の女、それは神秘の女――。運命を司る「女(ディース)」は諸刃の剣…彼女に魅入られた者が手にするのは、至上の幸運か残酷な凶運、そのどちらかひとつ……。ワルキューレのごときディースは、この世のすべての人々に崇拝されると同時に畏れられる精霊(デーモン)なのだ。あずみ椋が北欧を舞台に描く、悪の華で彩られたヒロイック・ロマン!!
北欧神話にもとづいたワーグナーの名高いオペラが、コミックとして生まれ変わった!ライン河の黄金で作られた指環を持つ者は、世界を手に入れることができるという。だが、その指環を作ることができるのは『愛』を断念した者だけなのだ……。醜いニーベルングのアルベリヒは愛を呪い、指環を完成させた。権力の指環をめぐって、神族、巨人族、人間族らの壮大なドラマが廻り始める――!!
卵巣に腫瘍が見つかり手術することになった黒川真由は、病院でがんで病み疲れた大津日佐子と同じ部屋になる。12月3日が真由の結婚記念日だと知った日佐子は態度が一変し、嫌がらせをするようになる……。表題作「黒の天秤」の他、「闇の手」などミステリーホラー6編収録。
狩人<ハンター>ダドリーの眼が赤く燃える時。吸血鬼が闇に蠢く。作者の手で甦る現代の吸血鬼伝説とは……。表題のほか初期作品の『カウントダウン』『漂流者』を収録。
これは、はるか古き時代……。王の支配をきらい、故郷を離れ、極北の孤島に移り住んだ、誇り高き豪族たちの物語。作者のライフワークとも言うべき北欧神話の世界を舞台に、主人公ゲイルの愛と憎しみを華麗に描く会心作!