父親の命日、閉店した古書店にひとりの少年が訪ねてきた――。2年前、古書店を営む父を亡くした樹。ある事件をきっかけに、樹と父には修復できないような確執が生じていた。完全に憎むことも、忘れることもできず、葛藤を心に抱いたまま…。新鋭、中陸なかが描く、少年たちの本をめぐる冒険。
いつか輝く日のための 読切り50P(FEEL YOUNG2024年6月号/前編・7月号/後編)
【電子限定描き下ろし付き】イケメン大学生・由木のバイト先に一人でよく訪れる常連客・木庭。ある日、「僕、男の人がすきなんですよ」という木庭の言葉を聞いた由木は、自分も同じゲイだから、と彼を食事に誘う。しかし由木が“本当のこと”を言っていないと木庭に見抜かれてしまい…? トラウマを持つ大学生と、大切な人を亡くした研究員が丁寧に恋を紡いでいく。雪が溶けて木々が芽吹くような、ハートフル・ラブストーリー。
「響くんの中の“一番”になりたいなって」 高校生の響(なり)は、音楽室で偶然出会った同級生の湊辺に、「ピアノを教えてくれませんか」と懇願され、何故か教えてあげることに。軽そうな見た目に反してピアノの練習に真面目に取り組む湊辺は、話してみれば穏やかで心優しく、どこか大人びた印象の男だった。二人は次第に距離を縮め、響は湊辺に心の内を見せていく。実は、幼い頃からピアノを習っていた響には、ある“トラウマ”があり、人前で弾く自信がなくなっていたのだ。悩みを打ち明けた響に、湊辺は優しく励ましの言葉をかける一方で、時折、どこかもの寂しい表情を見せ……
イタリアンレストランでバイトをしている大学生の茅は、ある日無口で無愛想な新人・外口の教育係に任命される。とっつきにくい態度に気後れする茅だったが、彼の仕事のミスをフォローしたことをきっかけに妙にシフトが被るようになったり、熱い視線を感じたり、さらには休日のお出かけに誘われるようもになって…? ノンケの茅は、尊敬を超えた外口の好意に戸惑い一度はお断りするのだが―――。表題作ほか、やさしさと愛に満ちたハートフル・ラブストーリー3編を収録。
人の中に入り込んでいくって、怖いな──……。 冴えない生物教師・木庭のファンである葉純は、わざと赤点を取ることで、二人きりの補習時間を有意義に過ごしていた。しかしある日、見知らぬ生徒・根井も補習を受けることに。ショックを隠せない葉純をよそに、人の顔色を見るのが得意だと言う根井は、葉純の恋心をすぐに見破ってしまう。その上「俺も先生のこと好きかも」なんて言い出して──? 一方木庭は、葉純に対してどこか意味ありげな視線を向けるが……。一方通行? 三角関係? 切なくも瑞々しい、中陸なかのデビューコミックス。
イタリアンレストランで働く茅は、シフトの変更により急遽、新人・外口の教育係を指名された。その新人があまりに無口&無愛想ですっかり気後れしてしまった人見知りの茅だが、早速外口がオーダーミスをしてしまう。自分のフォロー不足を反省しつつ、激しく落ち込む外口を励まし元気づけた茅。するとその日から外口は急激に懐き、距離を縮めてこようとして…?