私は老犬を飼っていて、もう永くないというのを聞かされて早2年ぐらい。まだまだ長生きしてほしい。 でも現実を見つめると結構色々ネガティブというか暗い思考に囚われて、無償の愛を提供し続けてくれる愛犬を抱きしめながら枯れるまで涙が出る時がある。 そんな愛犬家だからこそ、というと語弊があるかもしれないけど 保護団体ってどういうシステムなんだろう、とか 世の中は実際どういう実態なんだろう、とか そういうのはぶっちゃけとても気になる。 でもニュースでペットショップ問題とか暗い話題が出るとシャットアウトしてしまう。わかってるつもりだからこれ以上知りたくないと考えてしまう。 本作はそういうシステムというか、どちらかというと「なんでやってるのか」とかそういう人間のエゴみたいなところにも焦点が当てられていて、カレー沢薫先生はきっと生き物が超好きなんだろう、葛藤があってなんとかしたいんだろう、でも解決できないというのも理解しているんだな、というのを感じられる気がする。 とても深いツラい話もあり、人間のエゴというか業というかもあり。 でも犬猫かわいいよねっていうそこに帰って来る。 こんな絵でギャグテイストなのに泣かされるとは思わなかったなぁ。 2巻読むの怖いけど買ったので今から読む。
現実、将来、老後。 どの言葉がよりふさわしいんだろう。 あっけらかんと、つきつけられる。 持たざるものからしたら、主人公が珍獣のように見える理由はとてもよくわかる。 しかし、主人公は少しずつ、知らなかった生活環境を送る人たちの存在に気づいていき、変わっていく。 すべてのきっかけが孤独死というあたり、なんだか都会っぽい。 孤独死しないために婚活して結婚? 結婚したからといって、大丈夫と思うなよと言わんばかりに突きつけられる、親の介護、何もしない夫、子がなにかしてくれると思うなよの嵐。 気にしたら見えなかったものがどんどん見えてくる。 ただ、耳をふさぎたくなるような話題も、主人公の百面相のようにコロコロ変わる表情や、油断したら出てくる猫もしくは猫オマージュ、あと不思議な人・ナスダくんで大変読みやすい。 我々の将来は、一体どんなかんじになっているんだろう。 今日が明日も続いて、親が過ごしていたような老後を我々も?と思っていたけど、昨今の情勢を考えると、それはなさそうだなという気がしてきた。
「カレー沢薫さん×劇画狼さん」 もう圧倒的に勝ち確でしょう。混ぜるな危険ですよ、面白すぎることが確定しすぎていて。 何をやっても面白くなりそうなお二方ですが、このお二方をして「いろんな作品の男キャラクターを語る」。はい、勝率400%を超えました。5打数10安打打つ全盛期のイチローもビックリの、チート付与魔術師も裸足で逃げるチートです。 この第1巻では 『THE KING OF FIGHTERS』の八神庵 『ガン×ソード』ヴァン 『HELLSING』ペンウッド卿 『忍者と極道』殺島飛露鬼 『ラーメン発見伝』芹沢達也 『シグルイ』藤木源之助&伊良子清玄 『鉄鍋のジャン!』秋山醤 『疾風伝説 特攻の拓』浅川拓 『どす恋ジゴロ』恋吹雪 『孤独のグルメ』井之頭五郎 『シティハンター』『エンジェル・ハート』冴羽獠 『刃牙』シリーズ 愚地克巳 『ゴールデンカムイ』月島基 『嘘喰い』佐田国一輝&目蒲鬼郎 『ザ・ファブル』佐藤明 について語られます。目次だけでこんなに面白いことあります? キャラチョイスも主人公だけでなく、絶妙なところを選んでいて堪りません。『HELLSING』のペンウッド卿や『嘘喰い』の佐田国&目蒲など、本当に絶妙なところをそれはそれは熱く語ってくださっています。 この全部を解る人がどれくらいいるのかは解りませんが、恐らくミリ知ら状態であったとしてもかなり楽しめるのではないかと思います。何せ、カレー沢薫さんと劇画狼さんですから。 担当編集者も八神庵が生まれた頃はまだこの世にいなかったと聞いて隔世の感がありますが、歴史上の人物よりはネットミーム化しているところもあってもう少し身近なキャラたちについて、独特の感性を惜しみなく披瀝しながら面白おかしく語っていく様子は最高です。 例として一箇所引用すると、『ザ・ファブル』の兄さんについて 「おっさんの母性本能を刺激しているところがある」 「…おっさんの母性本能?」 「男が魔法少女になる時代だ おっさんに母性本能ぐらいあるだろ」 と語るカレー沢節全開のところなど大好きです。 全然知らない作品でも、この紹介をきっかけに読んでみようという気持ちが湧くのではないでしょうか。実際、劇画狼さんもカレー沢さんの目線で再読することにより新たな楽しみ方を発見するなどしており、これはもう立派な批評と言えるでしょう。 現代では、物語よりもまずキャラで作品に入る方も多いです。そういう意味では、本著で気になるキャラを見つけてそこから原作を読んでみるというアプローチが生まれることはとても素敵だなと思います。 なお、コミックス開いて数秒で「マイナー漫画・エロ劇画紹介ブログ『なめくじ長屋』はログインパスワードがわからなくなって休止」の文字列に笑わされました。去年話題になってた気がしたんですが未だに不明なんですね。「このマンガがひどい!」を読むのが年の瀬の楽しみだったのに残念です。 個人的にお二方に他に語ってみて欲しいキャラとしては、 『COBRA』のコブラ 『北斗の拳』のラオウ 『ジョジョ』のDIO 『魁!!男塾』の富樫 『聖闘士星矢』のデスマスク 『スラムダンク』魚住 『幽☆遊☆白書』の樹 『ヒカルの碁』の緒方 『はじめの一歩』の伊達 『今日から俺は!!』三橋 『クローズ』のリンダマン 『弱虫ペダル』の巻島 『ベルセルク』のグリフィス 『ジャンケットバンク』獅子神 『天』『アカギ』の赤木 『最強伝説 黒沢』シリーズの黒沢 『エアマスター』の坂本ジュリエッタ 辺りです。
もしもカレー沢先生が異世界転生したら、こんな感じになりますという漫画。世に氾濫する異世界モノに対して独自の切り口で挑む意欲(?)作。語りが抜群に面白いのは今更言うまでもないが、今作ではカレー沢先生自身が転生者となり自分の空想の世界でもそのポンコツぶりをいかんなく発揮されていて、当然まともな立ち回りなど一切できないわけだがそれがまためちゃくちゃ面白い。
読めば読むほど共感してしまった。 ご結婚されていることで少しは助けられてるかもしれないけど、根本は解決できないものですよねぇ。 頭の中が騒がしいのとか、 興味がないからやれないとか、 必要と思ってないからほったらかしとか あげたらキリがない… 小さな取り組みからと書いてあるけど、まずそこまで行かないから現状があるんだよねぇと思ってみたり。 担当さんが協力的な人なのもラッキーだね。 ほかの作品も読んでみたくなりました。
ならず者と猫とグルメ。間違いない組み合わせで間違いなく面白いんだけど、思ってたのとは違った。 壁に女性器の落書きがあって暴力と乱交とゲロにまみれた家で暮らしているのに、トシゾウとキャロラインはそこそこ平和でよい。 グルメ漫画ではなかなか見ない料理が出てくるのに、基本料理はどうでもよい。トシゾウはクズだしキャロラインは達観してる。トシゾウを取り巻く女たちは幸せではないだろうけど、トシゾウでしか得られない栄養があるならそれでよい。 地元最高!に勝るとも劣らない治安の悪さだけど、完全ギャグに振り切れてるし心穏やかに読めるから好き。 結果的には猫漫画グルメ漫画の満足度と同じ。平和な作品といっても過言ではない。
こんなに鬱にならない鬱な題材の漫画ないと思うんですよね! 今週のモーニング掲載の特別編、エンディングノートの話。 別にみんな絶対高齢になって死ぬとは限らないのでエンディングノートとか大事だよなあと思いつつ、なかなか話題に出しづらい。 でも漫画にしてあると興味わくしついつい読んじゃう! 途中でツッコミもあるしちゃんとオチもある、しかも変に誤魔化したりしないから著者も作品も好きです。
その昔 ビル・ゲイツは100ドル札を拾わない なんて話があった。 曰く、ビル・ゲイツは1秒で150ドルくらい稼いでいるから、 道端の金を拾うくらいなら働くだろうという論理だ。 その後、エレベーター内に落ちていた1セントコインを喜々として拾う姿が目撃されたようで、全くのデタラメだったようだ。 世界的な投資家バフェットも、同じように小銭を拾って喜んだのは有名。 何が言いたいかというと 金持ちほど、お金を大事にする ということ。 みーんな、小銭を拾ってんだ。 そういう意味では、カレー沢薫先生も、金持ちの発想といえなくもなく、金持ちになるであろう予感がする。(極論) 本題だが、本作は将来に不安を抱えるカレー沢先生、いろんな手をつかって小銭を稼ぐ方法をリアリティたっぷりに描いてくれてます。 タメになると言えば、タメになる。 ポイ活とか。 でも、やっぱり、 ・・・面倒だな という気分が拭えない。 大体ポイントカード自体、結局使わなくなるからつくらないくらい面倒くさがりなのだ。 有効期限1年とかだと、普通に失効するし。 だから、やはり金持ちというのは徹底的に無駄を省けるだけのマメさがあるんだと思う。 コンビニや自販機でジュース買うんじゃなく、安いスーパーで買うのだ。もしくは、水筒もっている。 そういう意味で、何もせずに拾った小銭は価値があるんだろうなぁと、そんなことを思いました。 最後になりましたが、拾った小銭はちゃんと交番にとどけましょう。犯罪になります。(身も蓋もない)
※ネタバレを含むクチコミです。
犬や猫はとてもかわいい。一緒に暮らせたら幸せだろうなあと思う。 でも安易な気持ちで動物は飼えないよなあ、という当たり前のことに改めて気づかせてくれる作品。 ずっと守ってあげなきゃいけないけれど、大それたことができるわけではない。別れは必ずやってくるし、その後も自分の人生は続く。 悲しみも寂しさもある。でも、幸せな記憶や大切な思い出もある。 決して、ペットを飼うことのデメリットばかりを描いた作品ではない。 悲しみも寂しさも無力さも煩わしさも感じるけれど、それでもペットと生きることは幸せなんだよと教えてくれる作品だった。
私は老犬を飼っていて、もう永くないというのを聞かされて早2年ぐらい。まだまだ長生きしてほしい。 でも現実を見つめると結構色々ネガティブというか暗い思考に囚われて、無償の愛を提供し続けてくれる愛犬を抱きしめながら枯れるまで涙が出る時がある。 そんな愛犬家だからこそ、というと語弊があるかもしれないけど 保護団体ってどういうシステムなんだろう、とか 世の中は実際どういう実態なんだろう、とか そういうのはぶっちゃけとても気になる。 でもニュースでペットショップ問題とか暗い話題が出るとシャットアウトしてしまう。わかってるつもりだからこれ以上知りたくないと考えてしまう。 本作はそういうシステムというか、どちらかというと「なんでやってるのか」とかそういう人間のエゴみたいなところにも焦点が当てられていて、カレー沢薫先生はきっと生き物が超好きなんだろう、葛藤があってなんとかしたいんだろう、でも解決できないというのも理解しているんだな、というのを感じられる気がする。 とても深いツラい話もあり、人間のエゴというか業というかもあり。 でも犬猫かわいいよねっていうそこに帰って来る。 こんな絵でギャグテイストなのに泣かされるとは思わなかったなぁ。 2巻読むの怖いけど買ったので今から読む。