太田基之作品を読むのは初めてだったのですが、ホッとする優しい絵柄がとても素敵でした。まさかのホラーオチとは
ギャンブル狂なダメ男のイケメン背後霊を目当てに付き合ってたのにうっかり除霊されてしまう。途端にアクが抜けたように真面目になった男からプロポーズされて幸せになったけどコレジャナイ感がハンパないという話。今回はページ数も短かったけど太田基之はやっぱり面白いなと思った。そろそろビッグコミックに描いてきた短編をまとめて単行本にしてほしい。
柿野家の一人っ子、小学生の実子ちゃんは町内で犬を飼ってる家を四十七ヶ所巡るほど大の犬好き。そんな実子ちゃんが迷子犬を拾ってタネと名付けて飼うことになりますが、実はその犬の正体は宇宙人だったのです…! とはいえ、あんまり宇宙人的SF要素はありません。どちらかというと実子ちゃんの売れない漫画家の叔父さんの方が活躍してます。でも単行本の帯コメント「長寿アニメのような面白さ!」は本当でした。太田基之作品ってハマるとクセになりますね。
小学館から出てる本だけど色んなとこで掲載された短編が収録されてるんですね。描かれた順番に収録されてる訳でもないんですがラスト3編が特に好きでした。アパートの隣の部屋にバラバラ殺人事件の犯人が住んでた漫画家と編集者が会話する話、古本に挟まっていた写真に写っていたお尻にアザがある女の人を探す話、自分がどうして幽霊になってしまったのか分からない男に取り憑かれちゃう話、この3つです。途中の小ネタには笑わずにいられないしオチもよかった。
※ネタバレを含むクチコミです。
なんだぁ!?と思ったらかわいらしい話だった。 なるほど、タイトルが振りになっていたとは。
犬のタロちゃんは、拾ってくれた恩人である主人に感謝を伝えるために話せるようにしてくれと稲荷様に頼むと二十歳の誕生日の一日だけ話せるようにしてくれたが・・。 アホそうでトロそうな老犬とおばあさんのやりとりが面白く、この一日だけの使い方が優しく温かい。
まったく可愛くない犬タロちゃんはお稲荷さんに二十歳の誕生日だけ人間の言葉を話せるようにしてもらいました。可愛くないけどとても礼儀正しい、落ち着きのある老犬です。そして自分を拾って育ててくれた飼い主のお墓参りに奥さんと一緒に向かうと…と言うお話です。 人間を装って子供服を着てお墓に行ったところが笑えました。
すべて沖縄で起こった怪奇な出来事を、東京から来たアヤコちゃんにタマというおばさんが語り伝えるという構成です。やはり沖縄は独自の歴史と文化、風習があり、ユタと呼ばれる人間があたりまえに存在するためか、起こることも今まで読んできた怪奇漫画とはまた毛色が違う気がしました。その背景には戦争が残した傷跡が色濃く出ています。全体的にコミカルに描きながらも、決して風化させてはいけない大事なものを物語にしっかり落とし込んでいるなと感じました。 背筋がゾ〜〜〜〜〜〜ッとなるような話から、クスっとできる話まで幅広いです。個人的には飼い猫に「バーサーカー」と名付ける家族の話がいちばん記憶に残ってます。いやバーサーカーって…と思ったんですが、誰も名前に対して突っ込みをいれてなかったので自分がおかしいのかなと思いましたがどうなんでしょう。
太田基之作品を読むのは初めてだったのですが、ホッとする優しい絵柄がとても素敵でした。まさかのホラーオチとは