強大な王国ハイエルバードには婚礼の夜、花嫁の寝室を国王が最初に訪れるしきたり”初夜権”があった。辺境の領国・グルジリアの若き領主・アンドレアは、8歳年上のレオンドーネ姫との婚礼を控えていた。しかし婚礼の夜、第十七代国王マクシミアンが訪れたのは、花婿アンドレアの寝室であった! 「どうした小鹿?私を入れてはくれぬのか?ならば無理にでも入ろう。」若くて、ウブで、お人形のような”小鹿”の身体を、美しき国王の”お大事”が侵略していく…。
「よいよい、ワインの事など余はとがめたりはせぬぞ? その代わりに、そなたの白いワインを飲ませておくれ。」ルクレツィオは国王の妾腹の息子。母をもてあそんで捨てた国王を恨んでいたが、母の葬儀の席で国王に見初められ、ルクレツィオは憎むべき実の父の愛人となった。国王には慰み者とされ、人々には汚れた者と蔑まされ、ルクレツィオは屈辱的な日々を送る。そんな妾腹の子・ルクレツィオを、皇太子のマクシミアンは「兄」の瞳で見つめ続ける…。