下田 治美(しもだ はるみ、1947年7月25日 - 2011年9月5日)は、日本の作家・エッセイスト。 東京都生まれ。結婚したが夫に愛想を尽かし、離婚ののち出産、一人で子育てをしつつ執筆活動を始め、1984年、37歳で最初の著作『離婚聖書』を上梓する。以後離婚や子育てに関するエッセイを年一冊ずつ刊行、小説にも手を染め、1992年の『愛を乞うひと』で、実母の虐待を受ける少女を描いて衝撃を与え、1998年には映画化された。その後、子供の自立や医者批判をテーマにした本などを上梓している。 2003年、長男がヨドバシカメラに派遣社員としてDDIポケット経由で二重派遣されている時、自宅に押しかけた派遣会社の上司が下田の目前で長男を暴行し重傷を負わせる事件が起こった(ヨドバシカメラ違法派遣暴行事件)。下田と長男は派遣会社とヨドバシカメラを告訴し勝訴した。
「母さん、なぜ私を生んだの?」虐待を受けながら育った娘は、ずっと自問していた――。一度は自分を捨てた母に、父の死後引き取られ、ともに暮らすようになった照恵。しかし、それは実の母親から壮絶な虐待を受ける、地獄のような日々の始まりだった。やがて自らも母となり、やっと穏やかな生活を手に入れた照恵だったが、1本の電話が、彼女の封印してきた過去の記憶を呼び覚まし…。虐待により踏みにじられた魂の再生を、曽根富美子が描ききった感動作。原作のその後を描いたオリジナル番外編『闇がひらかれるとき』、原作者・下田治美氏の解説文も収録した完全版。
実の母からの虐待という凄惨な記憶を封印して生きてきた照恵。自らも母となり、穏やかな毎日を過ごしていたある日、病院からかかってきた1本の電話が照恵を再び過去と向き合わせる。幼い頃に死別した父の遺骨を探す旅に出た照恵は、その過程で母の人生を知ることとなり――…。母娘の愛憎を衝撃的に描いた下田治美の傑作小説『愛を乞うひと』を社会派漫画の名手・曽根富美子がコミカライズ化。番外編『闇がひらくとき』も収録。