社会人百合は〈学生の様な〉恋
同じ会社に勤める女性同士の恋愛作品なのですが、雰囲気も甘くふんわりしていて、内容も意外な程、初々しい恋模様でした。 二人の女性の、モノローグが交互に進行するのですが、見た目も性格も違う二人に共通するのは、本当の恋を知らない事。 最初、相手が気になるけれどこれは恋なのか?を確かめる所から始まり、付き合い始めても楽しいけれど、何処まで踏み込んでいいのか……とお互い遠慮してばかり。もどかしく初々しいオフィスラブ。 両想いなのに、不安に駆られる心。それは相手の為?それとも自分が苦しみたく無いから?変に予防線を張ってしまう恋愛の機微は、大人っぽいというよりは、実は高校生……もしかしたら中学生……いやいや小学生にも当てはまる、普遍的な物でしょうか。 社会人ならではの恋愛事情も描きながら、人が本当の絆を結ぶのに大切な事を描いた、恋する全年齢の心に刺さる百合作品です。
この作品に出会えてよかった。大人なのに初々しくて、大人だからもどかしい女の子同士の恋愛を描いた作品です。
同じ会社の違う部署で働く湯川さんと水城さん。ふとしたきっかけで距離が近づき、お互いのコートのポケットにメモを入れて食事の約束をする関係になります。
もうこの時点で甘酸っぱくてもどかしくて心を掴まれました。
あったかくなってコートがいらなくなったらどうしよう、連絡先を聞いてもいいのかな?という心の揺れと時間経過を丁寧に描いているのが素晴らしい…!!
友情ではなく恋愛感情だと気づくまで、お互いが両想いだと気づくまで、ゆっくり丁寧に、かと思えば大胆に進んでいく2人の関係が可愛らしくて甘くて切なくてたまりません。
学生同士の百合もいいけど、大人女子だからこその揺らぎがあって胸が甘くしめつけられます。
これまでも素晴らしい百合作品に出会ってきたけれど、いちばん好きかもしれない(いちばんがたくさんあります)…今いちばん好きな作品です。