オススメです!
大好きな作品です。きれいな絵と壮大なストーリーで、読み始めると止まりません!最終話に近づくにつれ、涙も止まりません!とにかく、薄星がかっこいい。主人公・亜姫と強い絆で結ばれている二人が、切なくもあり素敵です。女性として、亜姫の強い心と聡明さにも憧れます。名作ですので、ぜひ読んでもらいたいです!
亜国(あこく)の姫でありながら冷遇されている亜姫(あき)。幼いながらも母の世話をしながら、明るく生きる亜姫はある日、金の髪と天の色の眼(め)を持つ奴隷の少年・薄星(はくせい)と出会う。境遇の違いを超えて、強い絆(きずな)で結ばれる二人だったが、その先に待っていたのは…!?和泉かねよしの描く歴史ロマン超大作、待望の第1巻!!
舞台は架空の中国の王朝。王子が産まれたため冷遇される王家の姫と、異人で疎まれる奴隷の少年は8歳の時に出会い、主従として、そして無二の友として絆を深める。私はこの物語を何度読んでも、随所で泣きそうになる。
泣きそうになるのはほぼ同じポイントだ。それは「二人で何処かへ行きたい」と願う時。
第二王妃に国を追い出される姫は、彼女に復讐を誓うが金も味方も無く、絶望的に孤立無縁。尊厳を常に奪われる彼女を支えるのは、ともに苦労を重ね、同じ師の元で研鑽を積む奴隷の少年。互いへの信頼は否応なく恋へと変わってゆく……あらゆる点で強まる二人の絆を、美しいと感じる。
しかし事は単純ではない。情勢に翻弄される姫はやがて、祖国の王となる道を選ぶが、王となるには相手と離れる必要に迫られる。互いのため、離れる覚悟をする二人。しかし別れ難く苦悩を深め、行動に迷う。
そして苦悩極まった時、二人は全てを捨て、放浪する夢を見る。
「千年の花」という呪文……千年に一度咲き、あらゆる願いを叶える花を思いながら、二人はただ、二人で生きることだけを夢想するのだ。
敵対する恐ろしい第二王妃の「成長譚」も対置させた物語はそれも含めて、人の不自由さや、人の幸せとは何なのかを切なく考えさせる。