ヤクザ映画っぽい部分はそれまでも存在したんだけど(ボン・クレーのヒナに対する啖呵とか)、マリンフォードでは完全に浮いてしまってるというか、ヤクザの武勇伝で使われる「前のめりに死ね」「背中の傷は臆病者の証」概念が
卑怯策略当たり前の戦場なのに、背後から切りかかる奴が居ないという(黒ひげの寄ってたかって親殺しというのも卑怯ではあるのだけど)違和感に繋がり、
ネタにされてる「敗北者」も、「親分を侮辱されて子分が己の命を投げ出す」という、ヤクザ物なら定番的な場面が「逃げるが勝ち」「喧嘩で負けても勝負で勝つべき」な戦争的場面と致命的に嚙み合ってない。
それでもマリンフォード以後で正に作中の勢力地図も世界観も大きく変わる予感が(実際勢力地図は変わったが)してたのに、今だに死人もろくに出さないし残酷さも業もぬるいというか、シャーロットにマザーを食わせた事を背負わせたっていいだろうし、マザーはもっと極悪非道な事でもさせてりゃいいのに割に合わなすぎだろ子供を育てる大変さを尾田先生は知らないのかとか、マリンフォードという大事件を過ぎたのに、なにか遊んでるような真剣さを感じられない展開が続いて、限界が来てしまった…。

何というか、マリンフォード以後の展開は全部マリンフォード以前に掲載されていたら素直に燃えていたような気がするんだけど、マリンフォード後にこんなん見せられても、的な感覚を覚えてばかりで…。
ただ大規模な路線変更回が来たと思ったら全然路線変更してないのが明らかになった(そして路線変更に期待していた)のが自分なんだろうけど、実際どの辺で付いていけなくなったのかというとマリンフォード以降徐々に溜まっていってホールケーキ辺りで限界に達したけど、マリンフォード以降すぐについていけなくなったというわけじゃないので、マリンフォード頂上決戦「まで」というのはなんか違うから難しい。

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マザー

マザー

絆を描く、珠玉の作品集――。夢でしか相まみえることを許されない切ない恋心……。決して交わるハズのない境遇のふたりの旅路の行方は……? 偽りの関係は本物の親子へ変わることができるのか……? 様々な絆が、“ヒューマンドラマ”、“SF”、“ファンタジー”など多様なジャンルで描かれる。そのすべてがあたたかく胸をうち、涙なくては読めない物語ばかり。稀代のストーリーテラー・江戸川治の作品が堂々書籍化!●収録作品『カウントダウン』『苦い悪夢』『アイジンとぼく』『まおうの首』『アノコロタクシー』『マザー』