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『ヤングジャンプバトル2』の目次に明らかにフィギュアが題材っぱいタイトルがあったので一番最初に読みました。自分は昔フィギュア観戦にハマってたので、「技の難度や習熟度は低いんだけど、観ていてどうしようもなく惹きつけられる選手」という存在を知っているので、この作品のテーマである「技術と華やかさ」はとても実感をもって理解出来ましたが、そうじゃない人が読んで面白いかはちょっと微妙かな…と思いました。
そもそも倉内、周、橘の3人全員が、それぞれ自分のやりたいことを一方的に主張して曲げずコミュニケーションが成立していない。会話のドッジボールならぬコミュニケーションのドッジボール。このキャラ同士の関係が噛み合ってないところがすごく読んでいて疲れました。
しかしながら、フィギュアスケートが競技である以上、規定からは零れ落ちて評価されない人の心を動かす「華」にフォーカスしたというのは、本当に素晴らしいなと思います。
フィギュアスケート漫画増えてくれー!!
【あらすじ】
過去に2度全日本選手権で優勝したあとコーチに転向したちょっとだらしない印象の男・倉内が主人公。
7年間面倒をみて、昨年世界選手権優勝を果たした17歳の周(あまね)から契約を解消され無職になってしまい、ツテをたどって現在コーチがいないという橘に会いに行く。
しかし、橘は競技を続けるのに莫大な費用がかかるにも関わらず、技術や勝利に一切のこだわりがなく、「楽しく滑れればそれでいい」というスタンスの人間だった。
コーチとして実績を残したい倉内はなんとか橘を勝たせようと、周が世選で優勝したときのプログラムを東京ブロック大会でそのまま滑らせる。
周だからこそ自分の資質を活かして滑りこなした、「アルビノーニのアダージョ」という重厚で単調な盛り上がりに欠ける曲を、完コピせず笑いながら楽しく滑る橘に、会場の目は「見てて恥ずかしい」と冷ややか。
しかし、だんだんと技術を上回る華やかさに倉内も観客も惹きつけられていく。
会場を沸かせたものの元々実力がある方ではないので、結果としてギリギリの点数で大会を突破して大会を終える。
【掲載】ヤングジャンプバトル2 (2021年2月15日発売)
美しく残酷で切ないフィギュアスケートストーリー!!(週刊ヤングジャンプ増刊 ヤングジャンプバトル2)