たか1年以上前編集以前、突然「ガチな女子バスケ漫画ってないのかな」と気になって調べたときに見つけたのがこれ。 表紙を見ての通り、金髪で目の大きいお人形さんみたいに可愛い女の子が主人公の古き良き華麗な少女漫画にみえますが、「オリンピック金メダル」を目指してガチガチにバスケをしています。 高校に入学したばかりの美鹿は、風に飛ばされた帽子を追いかけ道路に飛び出しトラックに轢かれかけるものの、ナショナルチームに属する有望なバスケ選手・鈴子が突き飛ばしてくれて命拾いする。 九死に一生を得た美鹿だったが、鈴子のボールケースに付いていた鈴の音が耳から離れずふとした瞬間に事故の記憶がフラッシュバックしてしまう。亡くなった鈴子の葬式で妹・冴子から人殺しと罵られたことで、罪悪感を抱えて生きる傍ら鈴子の身代わりとなりオリンピックを目指し、鈴を金メダルに変えることで償いを果たそうと決意する…! 【見どころ①】美鹿の周りに敵が多すぎ&恋ともつれすぎ 妹・冴子は「鈴子の持っていた鈴を婚約者に渡して『私が殺しました』って謝ってこい」と罵り婚約者の名前も教えずに鈴を美鹿に渡す。 いろいろあって、鈴子の母校で美鹿の通っている高校のバスケ部で鈴子の婚約者 ・風巻がコーチを務めることになるが、美鹿のような新人にもボールを触らせる練習方法に反発する部員は多く、特にメガネの春日先輩は美鹿の強靭な指から繰り出されるパスが取れなかったことで恥をかかされ、美鹿を恨み妨害するようになる。 そしてラッピングした鈴を美鹿がコーチに返す場面を目撃した春日先輩は2人が良い仲であると誤解し、それを友人の冴子に手紙で伝えてしまう。 誤解が憎しみを呼ぶ展開に、いやこの意地悪2人繋がってんのかい…! と思わず頭を抱えてしまいました。 さらにそのうえ、事故がきっかけでバスケと学校を辞めるはめになったトラック運転手の息子・村神が登場。親切顔で美鹿に怪我した腕を酷使するようなアドバイスをしたものの、美鹿の一生懸命なすがたに心を動かされ惚れるが、当の美鹿は風巻コーチに惹かれていて…と、もつれまくったうえできっちり解消されるところが面白かったです。 【見どころ②】3ポイントルール導入前のバスケ 個人的なバスケ漫画を読む楽しみの1つが、最新のルールとの差異を楽しむことです。バスケは頻繁にルールの改定があり、自分が中学生のときも1年生に覚えたことが2年生で変わるというようなことを経験しましたし。実際中学校でバスケ部に入って思ったのが「スラムダンクとルール全然違うじゃん!」ということでした。(30秒は24秒だし、前半後半じゃなくて4Q制だし、後半開始にジャンプボールがない) 主人公・美鹿の得意技は、亡き鈴子の得意技でもあるフリースローラインよりさらに後ろから放つ「9mシュート」で、作中に「3ポイント」という言葉は一切出てきませんでした。 そこでもしや…と思いバスケのルールの変遷を確認したところ、3ポイントシュートが生まれたのはなんと1985年!! てっきりバスケが発明されたときからあるものだと思ってたので無茶苦茶衝撃でした。 『主なルールの変遷(Wikipedia)』 https://bit.ly/2V76MXP バスケットボール - Wikipedia バスケットボール(basketball)は、1891年にアメリカ合衆国の国際YMCAに所属していた体育教師のジェームズ・ネイスミスによって考案されたスポーツ。 美鹿が腕の痛みに耐えつつ決めまくる9mシュート…今のルールだったらもっと報われていたんだなと思うとちょっと切ない。 【見どころ③】タイトル通りのエンディング 美鹿がモスクワ五輪の予備チームであるジュニア選抜に美鹿が選ばれディフェンスに目覚め、ライバルと連携した速攻という新たな武器を手に入れソ連に向かうところで物語は終わり。 すっかり美鹿がバスケ選手として成長していく様に夢中になっていたので割と「えっ、ここで終わり!?」とショックだったのですが、思えば最初からタイトルは『栄光への出発』なんですよね。 もっと続きを見たいと思わせつつテーマを描ききって終わる見事なエンディングでした。 ちなみに3巻には2本の短編(『雨あがりのライバル』新体操、『燃えるライバル』スピードスケート)が収録されていて、その2つもガッツリスポ根で面白かったです。 【追記】 ちなみに『雨あがりのライバル』には、「紫水あずさ……おそろしい子 ムーンサルトを失敗したとはいえ一度見ただけでおぼえてしまうなんて…」というメチャクチャ姫川亜弓っぽいセリフが出てきます。 が、調べたところガラスの仮面の連載が始まったのは1975年で、この読切『雨あがりのライバル』が掲載されたのは1973年なのでこちらの方が早かったんですね。 いま「おそろしい子…」なんて使ったら狙った狙わないに関わらず全部パロディになってしまいますよね。偶然にも、ガラスの仮面以前に描かれた純粋な「おそろしい子…」を発見できて嬉しかったです。 【全話無料(全25話) スキマ】 https://www.sukima.me/book/title/BT0000362730/ [全話無料(全25話)] 栄光への出発 | スキマ | マンガが無料読み放題! 灘しげみの『栄光への出発』を読むなら全話無料(全25話)で読めるスキマ! | スポーツ,バスケット,少女漫画 | ビーグリー | その美しい女性は、婚約者から貰った金の鈴をオリンピック女子バスケの金メダルに変える事が夢だった。だが、道に飛び出した少女をかばい、その命を散らしてしまう。代わりに生... 0わかるfavoriteわかるreply返信report通報
あらすじその美しい女性は、婚約者から貰った金の鈴をオリンピック女子バスケの金メダルに変える事が夢だった。だが、道に飛び出した少女をかばい、その命を散らしてしまう。代わりに生きる使命を与えられたのが、運動音痴な高校一年生の美鹿。自責の日々を過ごしていた美鹿は、彼女の鈴を受け取り、彼女の夢を引き継ぐ決意をする。バスケ初心者・美鹿、ピアノで鍛えた強靭な指で放つ必殺シュート「九メートルシュート」を武器に、女子バスケ界の頂点を目指す!続きを読む
以前、突然「ガチな女子バスケ漫画ってないのかな」と気になって調べたときに見つけたのがこれ。
表紙を見ての通り、金髪で目の大きいお人形さんみたいに可愛い女の子が主人公の古き良き華麗な少女漫画にみえますが、「オリンピック金メダル」を目指してガチガチにバスケをしています。
高校に入学したばかりの美鹿は、風に飛ばされた帽子を追いかけ道路に飛び出しトラックに轢かれかけるものの、ナショナルチームに属する有望なバスケ選手・鈴子が突き飛ばしてくれて命拾いする。
九死に一生を得た美鹿だったが、鈴子のボールケースに付いていた鈴の音が耳から離れずふとした瞬間に事故の記憶がフラッシュバックしてしまう。亡くなった鈴子の葬式で妹・冴子から人殺しと罵られたことで、罪悪感を抱えて生きる傍ら鈴子の身代わりとなりオリンピックを目指し、鈴を金メダルに変えることで償いを果たそうと決意する…!
【見どころ①】美鹿の周りに敵が多すぎ&恋ともつれすぎ
妹・冴子は「鈴子の持っていた鈴を婚約者に渡して『私が殺しました』って謝ってこい」と罵り婚約者の名前も教えずに鈴を美鹿に渡す。
いろいろあって、鈴子の母校で美鹿の通っている高校のバスケ部で鈴子の婚約者
・風巻がコーチを務めることになるが、美鹿のような新人にもボールを触らせる練習方法に反発する部員は多く、特にメガネの春日先輩は美鹿の強靭な指から繰り出されるパスが取れなかったことで恥をかかされ、美鹿を恨み妨害するようになる。
そしてラッピングした鈴を美鹿がコーチに返す場面を目撃した春日先輩は2人が良い仲であると誤解し、それを友人の冴子に手紙で伝えてしまう。
誤解が憎しみを呼ぶ展開に、いやこの意地悪2人繋がってんのかい…! と思わず頭を抱えてしまいました。
さらにそのうえ、事故がきっかけでバスケと学校を辞めるはめになったトラック運転手の息子・村神が登場。親切顔で美鹿に怪我した腕を酷使するようなアドバイスをしたものの、美鹿の一生懸命なすがたに心を動かされ惚れるが、当の美鹿は風巻コーチに惹かれていて…と、もつれまくったうえできっちり解消されるところが面白かったです。
【見どころ②】3ポイントルール導入前のバスケ
個人的なバスケ漫画を読む楽しみの1つが、最新のルールとの差異を楽しむことです。バスケは頻繁にルールの改定があり、自分が中学生のときも1年生に覚えたことが2年生で変わるというようなことを経験しましたし。実際中学校でバスケ部に入って思ったのが「スラムダンクとルール全然違うじゃん!」ということでした。(30秒は24秒だし、前半後半じゃなくて4Q制だし、後半開始にジャンプボールがない)
主人公・美鹿の得意技は、亡き鈴子の得意技でもあるフリースローラインよりさらに後ろから放つ「9mシュート」で、作中に「3ポイント」という言葉は一切出てきませんでした。
そこでもしや…と思いバスケのルールの変遷を確認したところ、3ポイントシュートが生まれたのはなんと1985年!! てっきりバスケが発明されたときからあるものだと思ってたので無茶苦茶衝撃でした。
『主なルールの変遷(Wikipedia)』
バスケットボール(basketball)は、1891年にアメリカ合衆国の国際YMCAに所属していた体育教師のジェームズ・ネイスミスによって考案されたスポーツ。
美鹿が腕の痛みに耐えつつ決めまくる9mシュート…今のルールだったらもっと報われていたんだなと思うとちょっと切ない。
【見どころ③】タイトル通りのエンディング
美鹿がモスクワ五輪の予備チームであるジュニア選抜に美鹿が選ばれディフェンスに目覚め、ライバルと連携した速攻という新たな武器を手に入れソ連に向かうところで物語は終わり。
すっかり美鹿がバスケ選手として成長していく様に夢中になっていたので割と「えっ、ここで終わり!?」とショックだったのですが、思えば最初からタイトルは『栄光への出発』なんですよね。
もっと続きを見たいと思わせつつテーマを描ききって終わる見事なエンディングでした。
ちなみに3巻には2本の短編(『雨あがりのライバル』新体操、『燃えるライバル』スピードスケート)が収録されていて、その2つもガッツリスポ根で面白かったです。
【追記】
ちなみに『雨あがりのライバル』には、「紫水あずさ……おそろしい子 ムーンサルトを失敗したとはいえ一度見ただけでおぼえてしまうなんて…」というメチャクチャ姫川亜弓っぽいセリフが出てきます。
が、調べたところガラスの仮面の連載が始まったのは1975年で、この読切『雨あがりのライバル』が掲載されたのは1973年なのでこちらの方が早かったんですね。
いま「おそろしい子…」なんて使ったら狙った狙わないに関わらず全部パロディになってしまいますよね。偶然にも、ガラスの仮面以前に描かれた純粋な「おそろしい子…」を発見できて嬉しかったです。
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灘しげみの『栄光への出発』を読むなら全話無料(全25話)で読めるスキマ! | スポーツ,バスケット,少女漫画 | ビーグリー | その美しい女性は、婚約者から貰った金の鈴をオリンピック女子バスケの金メダルに変える事が夢だった。だが、道に飛び出した少女をかばい、その命を散らしてしまう。代わりに生...