娘を支配しようとした母親の末路
母と娘のゆくへ 大井詩織
※ネタバレを含むクチコミです。
痛烈な読切。
帝王切開で産んだ恩を娘に着せて自分が出来なかったこと、憧れを投影し、娘にやらせようとコントロールしようとする毒母の気持ち悪さが際立っていて、娘は母が望む方向には行かないように緩やかに抵抗しているように見えました。
時は経ち、大人になった娘は死にゆく母と対峙し…。
教育や子育てって洗脳や呪いと変わらないので、親になる人は子供を決して自分の身代わりや所有物として扱わないでほしいなと、これを読んで切実に思いました。
別個の人格をもっと人間として接しないと、やがて衰え、力関係が逆転したときに悲劇が起きます。
何をしたところで恨みは消えないようにも思えましたが、救われないのでもう何もないと思いたかった、思いこもうとしているといった部分もあるのかもしれませんね。
『すみれの花咲くガールズ』の朱良観(あけら かん)先生の別名義。
これは改名なんでしょうか。
女性同士だからか、家族だからか、母と娘はいつもぶつかって…(ビッグコミックオリジナル2020年20号)