遊んでるのはゲームボーイアドバンスSP?
幼児男子が母親に言って、母をタジタジにさせる言葉を、転校先のクラスメイトへ次々と繰り出す高田くん。 おまけに小学生男子らしく、ファンタジーっぽい要素も大好き。 死神や闇の力関連に強く反応しているけど、きっとドラゴンも好きなはず。裁縫箱はドラゴンを選んでいるはず。 いや、高田くんだけじゃなくて、暮らすの男子全員、ドラゴンを選んでいそう。 そんなことを考えていたのに、高田くんが遊んでいるゲーム機を見た途端、これゲームボーイ(アドバンスSP)?という疑問が心を締めてしまった。 案外古い漫画なのかと思いきや、2018年連載開始。 アドバンスではないのか、親のゲーム機で遊んでいるのか。 ゴーイングマイウェイな高田くんと、内気でいじめられていた西村さんが仲良くなって、西村さんを呪縛から救い出してくれる。 ポジティブ変換機能が良い仕事をしすぎて、結果的にいじめっ子へ意趣返ししているのもおもしろい。
目つきが悪いからという理由で「死神」というあだ名で学校でからかわれている西村さん。その背景を知らない転校生の高田くんは「死神」というあだ名を純粋に「カッコいい」と思い、西村さんと仲良くなりたいとグイグイ迫ってくる、というお話。
舞台が小学校というのもあり、登場人物たちはみな素直な分かりやすい振る舞いをしている。それゆえに、小学生の素直さ故の無邪気な悪意に対して、それを120%の純粋さで高田くんが打ち破っていく様にこちらも素直に感動する。作中でも随所に示されてる高田くんの「アホの子」っぷりや、2巻での帰省のエピソードなど、高田くんが本当に裏表なく振る舞っていることがわかるからこそ、からかいによって閉ざしがちだった西村さんの心が氷解していく様子に心を打たれる。
表紙やタイトルに騙されて買うとうっかり感動させられる、ある意味ではマンガらしい体験の出来る作品。
2巻まで読了