バイプレイヤーの母
母思いで天才高校生の勝幸が母の再婚をきっかけに変わっていく。 再婚相手は自然派「宇宙人」父子 壮介と春、勝幸には発想が理解できない。 平穏な日常が侵されて、困惑疲弊していく様は見ていて可哀そうだがおかしくもある。 壮介と春と家族としてつながりでき、一緒にいてホッとできる存在にまでいなっていく。 間違いなく勝幸と春が中心のお話なんだけど、軸に母の収入があっての日常があると思う。
天才高校生・夏木勝幸の将来の夢。それはハーバード大学に留学し、経済界のスーパーエリートとして活躍すること。しかし、母親の良子の再婚をきっかけに、勝幸の「サクセス計画」は大きく揺らぎ出すことに…。自称小説家で収入ゼロの父親・荘介、大自然と限りなくお友達の弟・春。新たな家族となった彼らが、勝幸にもたらすものとは?時代を超えて輝き続けるパワフル・ヒューマン・コメディー、待望の文庫化!
タイトルに「ファミリー」とあるように家族の話が間違いなく肝になっている作品。最初の内は壮介や春のことを「宇宙人」と思っていた勝幸が、最後
には春のために涙して、壮介に抱きしめられて安堵するようになる、その関係性の積み上げにはやっぱり感動する。そして最後まで俺つえーなんだけど、最初と最後で明確に勝幸が精神的に成長しているのがいい。きっとこの二人と出会わなければ、勝幸はこうはなれなかったと思う。