女子選手だけのプロ野球チーム
宝塚が好きな製菓メーカーのオーナーの思い付きで女子だけで構成されたプロ野球チーム「メイプルス」が誕生し、巨人や阪神(をモチーフにした球団)と戦っていく漫画です。私は野球のルールを知らない無知な人間ですが、それでも読んでいて面白かった〜!!プロ野球選手の旦那さんに浮気されて腹が立った奥さんがメイプルスに入団して球場で戦ったりエピソードにユーモアがあるのはもちろんですが、男だらけの世界で女子が女子らしく戦っているのが何だか誇らしかったな。負けが込んでる状況でもニコニコ笑顔でいるのは勝利の秘訣かもしれない!色んな人にオススメしたくなる漫画でした。
マンガとはひとつに夢をみさせてくれるものでしょう。そして魔球とは正しくすべての野球ファンにとっての夢……。そんな夢をみさせてくれるマンガとは、あるいは魔球とともに歩んできた歴史なのかもしれません。
そもそも事の始まりはこうなのです。プロ野球界に女性だけで構成された新球団ができる、その名も「スイート・メイプルス」。もうこの時点で夢のような話なのです。こういって差し支えなければ、メイプルスの面々は、男だらけの球団を相手にまったく出鱈目と積極的に言っていきたいほどの懸命さと天真爛漫さで勝ち上がっていきます。この途方もない出鱈目さ加減がほんとうに感動的で胸を打つ。男たちを相手に女性だけのチームがどうやって勝っていくのか、なんていう、説明責任はこのマンガには端から存在していないのです。
マンガに関わらず、いま、あらゆるものに説明責任なるものが蔓延しているように思われます。しかし、それはなんと窮屈で不自由なことだろうとも思うのです。説明責任とは、アレはしていけない、コレはしてはいけない、というふうな否定的で不自由に方向にしか物語を運んでいかないことでしょう。そんな説明責任なるものから始めから自由になっている『メイプル戦記』は、それ故に感動的としか言いようがないのです。私たちはまだ見たことのない魔球を見てみたくてマンガに熱中するのではなかったか、私たちはまだ見たことのない夢を目の当たりにしたくてマンガに熱中するのではなかったか。私は『メイプル戦記』ほど自由で豊かで感動的なマンガを他にあまり知りません。