あの人に会える…! 不幸な馬車の事故のせいで、イアンが社交界から姿を消して4年。幼なじみの美しい貴公子との再会に、ジュリアの胸は高鳴った。けれど、命を失いかけた大事故は、イアンからかつてのまぶしい微笑みも、あたたかみも奪っていた。ただ一瞬、クリスマスの宿り木の下でキスをしたときだけ、思いもよらぬ彼の熱をジュリアは感じた。それはジュリアにとって、初めて知った身を焦がす口づけだった。ああ…、どうすれば私は彼を永遠に失わずにすむの?
貧しいレナは1年前、スペインの大富豪のアレハンドロと愛しあったが、彼は去っていった。そして彼女はミゲルをひとりで産んだ。だが彼は突然、彼女の前に現れ、子どもを奪おうとした。抵抗する彼女に、この事態を避けたいなら、ふたりは結婚するしかないと告げる。彼につれて行かれたのは、スペインの丘に建つ城のような大邸宅だった。慣れない生活を始めたレナだったが気になるのは「この子は運命の子だ」と言った彼の言葉。やがて彼女は、その意味を知り…!!
ヴァネッサの初めての恋、初めてのキス、初めての失恋…その相手はすべてラザロ・マリーノだった。ボストンの名家のひとり娘だったヴァネッサは、16歳のとき屋敷に住み込みで働いていたラザロにひと目で惹かれ、恋に落ちた。南米から来たふたつ年上のラザロに夢中になるヴァネッサ。しかしその恋は長くは続かなかった。初めてキスを交わした夜、彼は突然姿を消してしまったのだ。12年後、ふたりは思わぬ場所で再会する。だがそれは、ラザロの復讐劇の幕開けだった…!?
10年以上疎遠にしている父が亡くなった!? 元軍人のローガンは久しぶりにコーンウォールの屋敷を訪れるが、そこに美しい女性がいるとは思ってもなかった。「君は父の愛人なのか?」大学講師のエリザベスは蔵書の目録作りを依頼されて働き始めたばかりだった。しかし突然彼が亡くなり、その息子が現れたかと思いきや――なんて失礼なの! ロマンス小説に出てくるようなセクシーな彼に、一瞬でも心を奪われるなんて。続けたかったけど仕事は断ろう。そう思ったのに…。