たのしいせいかつ
あらすじ
『カラスの休日』『毎日がピクニック』など、商業出版物もある加納あずまの単行本未収録作品。女子大に通う山川貴子は本が好きで真面目だけが取柄。貴子は住んでいるアパートを出なければならなくなり、部屋探しの最中に内田かおりと出会い、勢いでルームシェアをすることに。内田かおりは明るくてキラキラしていて、そしてちょっとズボラなところもあるという、貴子とは正反対のタイプ。そんな凸凹コンビの二人だが、生活をしていくうちに、少しずつお互いに影響を受け合っていく。期末テスト、初のフリーマーケット参加、かおりを伴っての貴子の帰省、合コンバーベキュー大会、温泉旅行などのエピソードなど、二人の関係が徐々に親密になっていく様が心地良い作品だ。
みやべさちたんぺんしゅうえすのきせつまなつのまなざし
あらすじ
少女同士の思いを綴った百合マンガを2篇収録。「エスの季節」は良妻賢母であることが良しとされた大正期の二人の女学生の出逢いから始まり、吉屋信子の『花物語』をはじめとした少女向文学と婦女子が観ることを禁じられていた活動写真をモチーフに二人の思いが重なっていくさまを描いた抒情に満ちた作品。併録の「まなつのまなざし」では現代に舞台を移し、美大を目指す二人の女子高生のほのかな愛情とひみつの出来事を描いている。
昔から加納あずまさんの作品が大好きで、何度も何度も読み返していました。 ほのぼのしていて読んでいて心地よく、程よく笑いもあり、疲れたり落ち込んだりしたときに読むととても心が癒されます。 ギャグ漫画ではないので「ゲラゲラ」と言う感じではないけど、さりげなく散りばめられている「プッ」と吹き出させる笑いのセンスが絶妙です。 今回の『楽しい生活』も素晴らしい!! ごく自然に共感できる現実的な部分がありつつも、やっぱりどこかファンタジーと言うかメルヘンな雰囲気で、小さい子に読み聞かせても問題ないくらい、ほんわかとした絵本のようなストーリー。 一話完結タイプなのも読みやすく、一日の終わりに一話ずつ大事に読みました。 本当は一気に読みたかったけど、勿体なくて。。笑 お話とお話の間にある、お料理メモや旅行メモなども非常に勉強になるし興味深かったです! 何時であろうと、読むといつも凄く料理がしたくなります。 加納さんがイラスト入りのお料理本などを出してくれたら良いのにと、いつも思っています。 『毎日がピクニック』などのように、こちらの作品も電子書籍だけではなく書籍化してくれないかな。。 電子書籍は場所もとらずいつでもどこでも読めて便利ですが、古い考え方の自分としてはやはりお気に入りの作品は特に、手に持ってページをめくり読みたいなと思ってしまいます。 毒のない、とてもとても優しい作品です。 老若男女問わずオススメします。