大上さん、だだ漏れです。

良い目をしてる

大上さん、だだ漏れです。 吉田丸悠
吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)

絵が好き。 エロいことに興味津々な女子高生が主人公で、特殊な体質を持つクラスメイトの柳沼くんとの交流を描く。 特殊な体質、それは触れた相手がそのとき考えている本音を思わず口に出してしまうというものだった。 ちょうどいい青春具合で良いですね~。 しっかり下ネタを叫んでしまうんですけど、別にそんなにいやらしくないんですよ。 おそらく悶々として知らないがゆえにだいぶ手前の「ちんこ見せて」くらいの爽やかなもので済むんでしょうね。 それを口にしてしまうのは、女子高生には十分なほどに恥ずかしいことですが。 これが二人の関係が進んでしまうと一歩踏み込んでエグみが出てきてしまったりするのでしょうか、心配です。 とりあえず、絵がなんか好きなんですよね。 ちょうど読みやすくて無個性でもなくハマってて気持ちいい感じ。 特に目。 目が感情を存分に語っていて素晴らしい。 いい意味でだけど、吹き出し全部潰してもなんとなく話の流れ分かるんじゃないですかね・・。 ちょっとズレてる柳沼君と大上さんの関係が少しずつではありますが、進んでいくのを微笑ましく見るのが楽しいです。

トニカクカワイイ

結構ニマニマしてしまう結婚ラブコメ

トニカクカワイイ 畑健二郎
吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)

『ハヤテのごとく!』畑健二郎先生の最新作。 「星空」と書いて「ナサ」と読む、全国模試1位で勉強ができる主人公がある雪の日に出会った謎の美少女・司に一目惚れしその場で告白するが、結果、返ってきたのは「結婚してくれたら、付き合ってあげる」だった。それから数年、彼女は探してもどこにも見つからず、学校も辞め仕事ばっかりするナサが18歳になったとき、彼女は家に訪れる。 運命的な出会いと結婚から始まるラブコメディというなかなか見ない形だ。 現代で圧倒的に多いのは恋愛結婚。 出会って、関係性を築いて、分かり合い、結婚する。 しかし、かつてはお見合い結婚が主流だった。 まず結婚し、お互い徐々に距離を縮め合う。 『トニカクカワイイ』はこれの合わせ技だ。 恋愛結婚の方が離婚率は高いらしい。 その理由としては、恋愛結婚だとまず好きになったらいいところしか見えない状態からスタートし、結婚しダメなところも露呈していきどんどん幻滅し印象はマイナスになっていく。 お見合い結婚だと、半ば強制的な結婚なので悪いところがあっても諦められるし、いいところがあればむしろラッキーで加点式だから基本的にプラスになっていくらしい。 となれば、この出会いは、きっといいとこどりに違いない。 運命的な出会いで一目惚れで恋をして、即結婚。 個人情報すら分からない探り探りの状態からの結婚と恋愛の同時スタート。 ダメなところがあれば愛おしいし、いいところがあれば超ラッキーだ。 超加点方式、ずっとボーナスタイム。 そんな二人が見つ合って顔を赤らめている様子はたまらなくニマニマしてしまうのだ。 それだけだと少し物足りなく感じてしまうかもしれないが、1話目からどうやら司ちゃんが普通の人間じゃない様子が描かれる。 それがいい。 でも、主人公のナサは恋は盲目状態なので気づいていない。 司ちゃんの見た目にそぐわず大人っぽい様子、よく画面に入り込む月、言葉遣い、知恵。 そういうことなのかなー。と思いを巡らせている隙をついてイチャイチャしてくるのでニマニマしてしまう。 伏線や裏設定らしきものを小出しにしてくるのでそれも楽しみだし、二人の生活が上手くいってくれと願ってもしまうし、それとは関係なくいろんな引き出しから小ネタを放り込んでくるので楽しい。 今後もゆったり構えて読んでいこうと思う。

マイデリケートゾーン

歴史に残る傑作

マイデリケートゾーン 岩崎う大
吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)

「キングオブコント2013」王者、お笑いコンビ「かもめんたる」の鬼才・岩崎う大が、混沌とした変態たちの思考を丁寧になぞっていくヤバすぎて笑えてくる短編集。 漫画という媒体で、身体や舞台といった物理的な制限から解放されたコント師の妄想力が行きついたところには、哀しき変態達の楽園が広がっていた…!! 間違いなく、2010年代を代表するサブカル漫画になるであろう超傑作! 変態万歳!人間万歳! かもめんたるさんのコントとか深夜ラジオ好きな人は絶対好きだし、漫画だったら宮崎夏次系、渋谷直角あたり好きな人はぜひ手に取ってみてほしい! とんでもないものを読んでしまった…。 と、もはや放心状態の読後感。 脳髄のど真ん中をクソがこびりついたトイレブラシでゴッシゴシかき回されたような感じ。 読んだ後はしばらく壁の染みを一心に見つめていた。 あの話のアイツがヤバすぎると誰かと早く話したくってしょうがない。 本人のネタを見れば分かるが、かもめんたるさんはワードセンスがずば抜けているので、ひょっとしたら耳で聞くより、絵と共に目で見た時の方が破壊力として凄まじいものがあるかもしれない。 ページめくって最初の短編「イクオの秘密」にガツンと頭を殴られたような思いなので、一旦、コレだけでも読んでもらっていいですか? 試し読み→https://estar.jp/_comic_view?w=24746312 読んで心の琴線がチギれるヤバイと感じたら速攻で購入した方がいい。 他の話も大概ヤバイ。 ヤバすぎて自分の語彙力が無くなっていくのが分かる。 ヤバ面白い短編が11本もあるからもう満足度がすごい! 濃厚で濃密な人間の狂気、業、性(さが)、愛が溢れている。 自分が高校生のときにこれを読んでいたら今とは全く人生を歩んでいるかもしれない。 よかったらこっちの試し読みも→https://comics.shogakukan.co.jp/book?isbn=9784778034061 そんな『マイデリケートゾーン』著者のかもめんたる・岩崎う大さんが出演するライブ&サイン会が9/1にあるから参加してみては? https://peatix.com/event/415349