佐藤漫画製作所マンガの感想・レビュー4件刑務所の中のお医者さん(非常勤)ムショ医 佐藤智美starstarstarstarstar_borderゆゆゆあなたの知らない仕事をする人たち、ともいえるようなお仕事漫画なんだけど、考えさせられてしまう。 「医者は助けることしかできない」という言葉が印象的だった。 死にたい人がいても、助けることしかできない。 逆に生きたい人がいても、助けられる範囲を超えていたら救うことができない。 ものすごくストレスが多そうだ。 刑務所の中のお医者さんの仕事は、救急と全く違うものかと思えば、そんなことはなく、人間関係がごちゃごちゃしているようだ。 救急って、そんなに色んな人が来るんだとか、刑務所の医者って、学校の保健師さんとは違うんだとか。 刑務官の人が言っていた、「親身になりすぎたら、自分が辛いだけ」が身にしみてくる。 ずっと関わるわけでもない人、理解することができない考え方や生活をしている人。 心のケアは精神科の先生を呼んでいる、肉体的なケアは医者(内科?外科?)、刑の全うを見守るのは刑務官、と分業されているのは、線引をしなければ、心がやっていけないし、体がいくつあっても足りないからかもしれない。塀の中の女医さんムショ医 佐藤智美無用ノスケ子最近「塀の中の美容室」という作品が話題になっていましたが、刑務所のことについて知らないことばかりで興味深いです。女子刑務所の中の「女医」という視点から垣間見える人間ドラマを描いています。主人公は東京の病院に勤務しながら、地元の女子刑務所の非常勤の医師として働くことに。最初は単純な興味本位のみで、刑務所の世界に足を踏み入れてゆくのですが…。 受刑者同士のいざこざや、高齢化の問題、薬物の依存症、出所後の社会復帰の問題など、何も知らない状態の主人公を通して、数多くの現実に直面していきます。 全体的に暗く重い雰囲気なので、少しギャグっぽいコマでもあまり笑って読むことはできず…なかなかにショッキングなシーンが多くて辛くなるので、心が弱っている時に読まない方がいいかもです。 作者の佐藤智美さんは、「ブラックジャックによろしく」で知られる佐藤秀峰さんの元奥さんと後で知って納得。ブラよろの影響も凄いあるように感じました。人間魚雷「回天」って映画が有ったよね特攻の島 佐藤秀峰名無し戦記物を読み込んでいる私でも、この漫画の存在を知りませんでした。帝國海軍が誇った酸素魚雷に人間を搭乗させ、生身の人間が動きをコントロールして敵艦を葬る、この凄まじい発想を具現化してしまった、敗戦間際の我が国の追い詰められた姿を見る事が出来ます。 特攻を語る時に「決死」と「必死」の違いが論じられますが、その議論すら組み込まれた奥深い漫画である事を請け負います。一読に値する作品と断言します。極限の人間ドラマ特攻の島 佐藤秀峰名無し第二次大戦末期の日本では、複数の特攻兵器が開発されました。人間ミサイル「桜花」や人間魚雷の「回天」などですが、いずれも命を犠牲にして敵艦に体当たりすることを目的に作られた悲しい兵器です。『特攻の島』は、回天とその搭乗員を描いた作品ですが、回天という兵器は操縦することが非常に難しい有人魚雷だったようで、搭乗員の若者たちは訓練段階から死と隣り合わせの状況に苦悩します。兵士だけでなく、回天を開発した人物も登場し、史実を織り交ぜながら物語の極限状態に向かっていきますが、もし少しでも前に敗戦の日が分かっていれば、と思わずにはいられませんでした。
あなたの知らない仕事をする人たち、ともいえるようなお仕事漫画なんだけど、考えさせられてしまう。 「医者は助けることしかできない」という言葉が印象的だった。 死にたい人がいても、助けることしかできない。 逆に生きたい人がいても、助けられる範囲を超えていたら救うことができない。 ものすごくストレスが多そうだ。 刑務所の中のお医者さんの仕事は、救急と全く違うものかと思えば、そんなことはなく、人間関係がごちゃごちゃしているようだ。 救急って、そんなに色んな人が来るんだとか、刑務所の医者って、学校の保健師さんとは違うんだとか。 刑務官の人が言っていた、「親身になりすぎたら、自分が辛いだけ」が身にしみてくる。 ずっと関わるわけでもない人、理解することができない考え方や生活をしている人。 心のケアは精神科の先生を呼んでいる、肉体的なケアは医者(内科?外科?)、刑の全うを見守るのは刑務官、と分業されているのは、線引をしなければ、心がやっていけないし、体がいくつあっても足りないからかもしれない。