芳文社マンガの感想・レビュー415件<<89101112>>心を音を、滑らかに繋げる #1巻応援音のレガート すいとあうしぃ@カワイイマンガ楽器未経験の病弱女子が、高校で金管五重奏の仲間に加わるお話。音楽を演奏する理由や仲間とは何なのかについて、優しくも真剣に伝えてくれる内容でした。 秋のアンサンブルコンテストが目標の五人。しかし初心者の主人公と、とにかく音を合わせるのが楽しい面々に、上を目指す緊張感は当初ありませんでした。 私はそこがすごく良いと思うのですが、強豪校との強烈な出会いによって、難しく考え始めてしまう。しかしそこで得られる新たな思考も前向きで、音楽の楽しみに向き合えているのが良いのです。 とかく部活漫画は、頂点を目指してキツい遣り取りがなされるのが常ですが、本作の五重奏は、仲間の結束を強めながら皆で目標を決め、真剣でも楽しく穏やかに取り組む。 タイトルの「レガート」とは音楽用語で「音を滑らかに繋げる」という意味。メンバー達の絆が次第に強まるのを見ていると、心を重ねて思いを繋げ、滑らかで美しい調和を作り上げる、そんな「音楽の喜び」のための作品になってくれそうだ、と感じました。 ★余談★ 高校生の吹奏楽部員にとって、夏の普門館(今は別会場)と秋冬のアンサンブルコンテストが二大大会になりますが(あとはマーチングもあるけど……)大所帯の吹奏楽部のアンコンはまず部内選抜から始まります。よってアンコンに出たことのある人は、実は少数派です。私は出られませんでした……。ストーカー vs 親友 vs …?サジちゃんの病み日記 アサギユメあうしぃ@カワイイマンガストーカー、自傷、殺人未遂と、ヤバい描写のオンパレードなこの作品だが、1巻は意外な程コミカルで、読んでいて辛くない。 小さい頃離れた女子・ひかりを想い続け、高校を突き止めてストーキングを始める沙慈ちゃん。それはひかりの親友・メロに見つかり、ストーカーvs親友の攻防に。鈍いひかりと沙慈を受け止めるメロのお陰で成り立つコメディは、キャラ達には申し訳ないが楽しい。 痛々しい描写が多いが、絵が物凄く美麗で可愛いので、このコメディ具合なら読めるじゃん……と思っていると、2巻からとある人物の介入で、内容は一気にヤバくなっていく。 ものすごい勢いのサイコっぷり。そこから得られる結末は、人によっては納得いかないかもしれないが、募らせた想いの「ヤバさ」にキチンと向き合わせてくれる、確かな結末だったと私は思う。監督が主役神様のバレー 西崎泰正 渡辺ツルヤ名無し監督が主役のスポーツ漫画(しかもバレー)ってのが面白いし、キャラが立っててすごくインパクトがあった。 面白いのにあんまり話題になってない気がする、、、。ドラマとかアニメになってもいいのに。辛辣系沖縄シュノーケリング #推しを3行で推す海色マーチ ミナミトあうしぃ@カワイイマンガ①沖縄でシュノーケリングに興じる中二女子達の夏。 ②考え無し女子×毒舌女子の遣り取りはカワイイ絵の割に辛辣だけど、漫才を見ているような笑いが。 ③沖縄の美しい海や魚と共にシュノーケリングの楽しさも、危険も描いていて充実している。 #マンバ読書会 #推しを3行で推す ままならぬ二人の銀塩生活 #1巻応援ぎんしお少々 若鶏にこみあうしぃ@カワイイマンガカメラ趣味には大きく二つの指向がある。一つは最新の機材で厳密な撮影を行う指向、もう一つはゆるさや味わいを求める指向。この作品の指向は、後者。 この作品に登場するのはフィルムカメラ。主人公が別れの間際に姉から貰ったのは、トイカメラと呼ばれる物。トイ=おもちゃだが、撮るのが簡単という訳では無い。普通のカメラに慣れていると戸惑う代物で、失敗も多く……というのは作中の通り。 ままならないこのカメラを託された高校生の妹は、入学の桜の下で美少女と出会う。 性格の明暗はあるものの、二人ともどこか不器用。二人の会話の拙さ、思いが言葉にならない感じは、もどかしいが自分の普段の会話を見ている気がする。 二人は撮る/撮られるの関係性を通じて仲をじんわりと深めていく。この二人にそれぞれの、離れて暮らしている姉を加えた四者の関係は、「離れている」事で色々な事が少しずつ繋がったり、分かったりするのが面白い。 それぞれが心に抱える「ままならなさ」と、フィルムカメラの微妙な間・もどかしさ・味わい・待つ楽しみなどが絡み合い、そのもどかしさがクセになるような、不思議で楽しい読み味だった。面倒な人に優しい作品 #1巻応援ひめちゃんは重い女 花束葬式あうしぃ@カワイイマンガ『お父さんは心配性』なんて作品もありましたが、心配性・考え過ぎ・嫉妬深い人はマンガにおいては極端なコメディにされるかライバルとして冷遇されるか……あまり自分事として受け入れられない。 なんで?みんなだって、メンドクサイ人でしょ?(暴論) ★★★★★ 大学生のひめちゃんは、思考が後ろ向きで、嫉妬深い。カッコいい彼女がいて幸せそうなのに、とにかく悪い事ばかり考えて落ち込んでいる。 ひめちゃんを不安にさせない様、気遣いの出来る彼女はパーフェクト。でもだからといって、ひめちゃんが不安にならないという事は無いんだよなぁ……不安の種を見つけては堕ちて行く思考回路は同じ「重い」人間として、とても分かる。 そんなひめちゃんを普段から支えるのは、ゲイの後輩。彼とひめちゃんの対話が、とにかく面白い。 どちらかが、普通は引かれるような不安や嫉妬を吐露すると、「わかるわー」と返ってくる。その遣り取りを見ていると、「それ重いって」と突っ込む自分がどれだけ一般論に迎合していたかに気付く。そして二人の「重さ」が自分事として、沁みるように理解出来る。 基本百合マンガでありながら、不安症の二人の相互理解にも心を持っていかれる。最高な彼女がいるひめちゃんには、酷い男に引っ掛かり続ける後輩に優しくしてあげてよ……と思いました。保健室で嫌いたくない貴女と #1巻応援アネモネは熱を帯びる 桜木蓮あうしぃ@カワイイマンガポジティブ思考のキャラというと、調子の良い陽キャを連想するが、この作品のポジティブ主人公は人と距離を置く、珍しいタイプ。明るいのではなくて、悪い思考を追い払おうと自らを律する様な。 そんな主人公は希望していなかった進学先で、一人の病弱な同級生と出会う。 主人公の受験失敗の原因だった彼女。しかし酷く弱い彼女を保健室に連れて行き、世話を焼きながら主人公は思う。 「この人を嫌いたくない」 病弱だが無邪気な彼女は愛らしい。彼女の望む様に学校生活を送らせてやりたいと頑張る主人公は、一巻通じて大きく印象が変わって行く。最初から良い奴とは思ったけれど、こんなに良い奴だったんだ……。 「嫌いたくない」から「好きになりたい」へ、そして……1巻で既に色々な物を共有した二人は、感情も共有する時が来るのか。ハグも良いけど、目を見て話せる様になるといいね! ゲ・ス・い(褒めてる) #1巻応援はなまるスキップ みくるんあうしぃ@カワイイマンガ単行本でも柱にごちゃごちゃ書いてある四コマ漫画は大抵ヤベェ奴、っていう法則は今考えましたがそんな感じの作品です。 新入生がピクニック同好会を立ち上げるのですが、日々活動に勤しむ(あまり、授業にほとんど出てない)とか、部にする為に実績を積む(筈がとんでもない事やってる)とか活動資金ゲットの為に奮闘(して生徒会を翻弄)する等、内容は多彩(だが総じて酷い)。 登場人物も可愛い顔をしてかなり下衆な奴ら。振り回される生徒会の可哀想さは漫画史上一番かも。 そして、その下衆さが最高に面白い。 カワイイばっかりじゃやってられない。細かな時事・流行ネタも挟みつつ、フワフワの仮面を被った残酷な奴らの余りの放逸ぶりを笑う、そんな作品です。 (ふわっとしたタイトルの意味の無さ…)家族、のような 友達、のようなの、ような。 麻生海六文銭主人公のもとに、不慮の事故で両親がなくなった恋人の親戚の子供を預かるという話。 一瞬、 恋人の?夫婦じゃなくて?なんの関係で預かるの?ん?え? ってなるが、まぁ色々複雑な関係で、 それでも一つ屋根の下で暮らすという、一風変わった家族漫画。 個人的に今一番楽しみにしている作品です。 突然両親がいなくなって、不安な子供達の気持ちを察し、 受け入れてしまう主人公・希夏帆(きなほ)の懐の広さにまず脱帽します。 両親をなくした気持ちは理解しますが、 普通、自分の負担とか、自分を優先に考えてしまいますよね。 とはいえ、単純に預かるだけでなく、子どもたちにも色々手伝わせたり自分のことは自分でやらせるなど平等に接しているのがフェアで、片方に依存しない関係はよっぽど建設的だなと思います。 大人的というべきか、WinWinの関係というべきか、 両親ともいえない、この関係をなんと呼ぶべきか悩みます。 また、希夏帆のもとに、やってきた二人の子供は、中学2年生の冬真と5歳の春陽の兄弟。 兄が生真面目かつ周囲に気を使いがちで、弟は無垢で元気いっぱい。 ともに、とまどいながらも、徐々にこの環境に順応していきます。 二人ともツライ過去がありながらも、文句一ついわない健気でまっすぐな姿が、逆に涙を誘います。 特に、母親を思い出しながらも、グッとこらえる姿は、たまりません。 家族、というには離れていて 年の離れた友達、というほど薄い関係でもない。 この不思議な関係ですが、二人の成長とともに深まっていく絆に、 なんとも言えない多幸感に包まれます。 こんな時代に、こんな新しい家族の形があってもよいのではと思いました。 繊細にゆらめく感情を見事に漫画で表現している夜と海 郷本nyae※ネタバレを含むクチコミです。 香港の九龍城をモデル…タオの城 板倉梓starstarstarstarstarひさぴよ香港の九龍城をモデルとした集合団地が舞台。(作中で「百窟城」と呼ばれている) 少女・タオをはじめとした様々な住人たちの切なくも温かい物語です。 カオスな場所に住む人たちのドラマってなぜこうも惹かれるのでしょうか。 アンダーグラウンドさを求める人にとっては少し物足りなく感じるかも。抱き枕と仲良し! #1巻応援しずねちゃんは今日も眠れない 逸見あうしぃ@カワイイマンガカワイイ日常ファンタジー来た〜! 買って来たヒツジの抱き枕が、突然人型に変身!添い寝しつつ仲を深めるコメディ、どこを切り取っても可愛さしかありません。 不眠症の主人公女子と人型になった抱き枕女子が添い寝しているのを見るだけで、こちらの人肌恋しさも満たされるし、心が穏やかになる。主人公以上に、読者に安眠効果がありそう。 主人公の内気キャラが、陰キャではなく変人枠になっているのも面白いのですが、そんな主人公が抱き枕に癒され、更に「抱き枕仲間」と出会う様子も楽しい。 辛い所が全然無い本作に、ぜひ癒されに来てください!立ち直れ!留年三人娘 #1巻応援またぞろ。 幌田あうしぃ@カワイイマンガ留年……嫌な響きですね。この歳になっても時折赤点の夢を見る私ですが、そんな私の背筋が凍る「留年」を四コマ漫画でコメディにしたこの作品。一周回ってやっぱり、ちょっと切ない思いが蘇りました。 たった1ヶ月で学校に行けなくなった殊(こと)、体が弱くてようやく通える様になった詩季、躊躇なく授業をバックれ続けた巴。三人の留年生は同じクラスにされる。 1巻は主に殊に焦点が当てられます。彼女は自分の事が上手く出来ない。彼女をいかに学校に来させ、テストの点を取らせるか……優しい詩季がフォローし、巴がせっつくものの、超ネガティブな殊。彼女達に巴の後輩・楓が加わる辛口コメディは、笑いは強烈、暫しハラハラ。 殊のダメっぷりは、きらら系で登場させていいのか疑わしいくらい。彼女の負のスパイラル、思い当たる人もいるかもしれません。仲間がキチンと受け止めてくれ、彼女の成長を見守りたくなる一方、かなり不安も……。 こんなに続きが気になる四コマ漫画も、久しぶりだと感じました。 腹ペコ幽霊に学ぶ美術+雑学 #1巻応援六条さんのアトリビュート セトユーキあうしぃ@カワイイマンガ美大受験を目指す高二女子は、一人暮らしを始めるアパートでセーラー服の幽霊に遭遇する。腹ペコ幽霊にご飯を食べさせながら、主人公は幽霊から美術について学ぶのですが、幽霊の知識量が凄い。 美術史の掘り下げ方が本格的で、描きたい物と技法、時代性までを絡めた解説に唸る。1巻では特に「色」への拘った解説が凄かった。 絵を描く動機が少し弱い主人公。幽霊との出会いで、絵との向き合い方に早くも変化が。また新たなアプローチの美術漫画となりそうです。 それに加えて、幽霊は様々な雑学も披露してくれる。情報量過多で知的好奇心が満たされまくります。 二人の絆は強まる一方、主人公のクラスメイトや同じアパートの住人等、サブキャラの設定付けはまだまだ。先生等、専門性を出せた人物からキャラが強まる感じなので、そこは次巻以降に期待!義母子?百合コメの複雑さ #1巻応援ヲトメは義母に恋してる 桐原小鳥あうしぃ@カワイイマンガ非常に発育が良い中学一年生が、子供の様な外見の成人女性と暮らし始めるこの物語。可愛い物好きなのに似合わない少女の悩みと、幼い容姿のせいで人に侮られがちな女性の悩みが並べ語られるのが印象的です。 ジェンダーへの違和等で無くても外見と内面の違和感は、多かれ少なかれ様々な人が抱くのかも知れないと、思いがけず気付かされる本書。他にも様々な複雑さと痛みが、優しさと共に描かれます。 主人公の鈴(りん)は、父が連れてきた再婚候補・寿々(すず)の愛らしさと、鈴に寄り添う心に絆され、寿々に初めての恋をする。 鈴が寿々と共に初めて過ごす「カワイイ」「女子らしい」時間。父親には難しい「女子の成長」に寿々が優しく対応するのも頼もしい。しかしそんな中で鈴の寿々への恋心は募り、でも寿々は父が好きだし……という鈴の心の揺れは切ない。 父は真摯で良い人なのですが、それが却って混乱を起こし、寿々が傷つく。そこで鈴の取る選択からは今後も鈴が苦しみ続ける姿しか想像できないのですが、全体的に温かなテイストの本書。優しさと複雑さの物語がどの様に紡がれて行くのか、期待したいと思います。 ※この作品は「マンバ通信」で芳文社四コマについて執筆されている、えむさんにTwitterで教えて頂きました。ありがとうございました!待望のスピンオフがスタート社畜と少女のエトセトラ【電子特装版】 社畜と少女の1800日スピンオフ 板場広志名無し※ネタバレを含むクチコミです。 人狼がヤンキーと結ぶ関係は? #1巻応援ヤンキー×ジャーキー 由井ひな子あうしぃ@カワイイマンガ学校をサボってばかりのヤンキー・愛羅が出会ったのは、ビックリすると獣化してしまう気弱な人狼・るう。 ヤンキーなのに悪くなりきれない愛羅も可愛いのですが、黒神オカッパで獣耳の、内気そうな人狼のるうが……カワイイ! るうは愛羅の優しさと美味しいジャーキーの為に一緒にいたい。愛羅もるうを獣化させてモフモフしたい。そんな二人のおサボり日記は、次第にるうの感情の変化を軸に、新たな関係性を築くか否かに焦点が当てられる。 お互い想い合っている様子は最初から本当に可愛らしいのですが、るうが愛羅の気持ちを確かめらないでいる様子、愛羅のヤンキーとしての矜恃など、もどかしさもある。それらを総合すると…… うん、やっぱりカワイイ! 愛羅の素行を注意する博愛女性教師と、注意される愛羅に嫉妬する不思議女子の関係も注目! (実は1巻が出たのは2020年12月で大分経ってしまったのですが、4月28日の2巻発売を応援したくてこれを書きました)適当にではなく、適度に流される感じがいい流れ飯 藤栄道彦名無したまたま本屋で目にした知らない漫画、 それも第一巻はなくて第二巻しかない、という、 普段なら購入しないパターン。 でもまあたまにはこういう感じで買って読むのもよかろう、 そう思って買って読んだ漫画の内容が、こういう内容だった。 なんだか本のオーラを自分が感じとって選んだみたいで ちょっと楽しかった(笑) 作者の藤栄先生は 「食べるために生きるんじゃない。 生きるために食べるんだ。」 と考えるタイプだったりしながら、 その日に食べるものに拘ったり、 自分は味覚が鋭くないと自覚しつつも、 それを前提にしたうえで、 美味かった、不味かった、をしみじみ思い返したり、 拘りポイントの有無や強弱がけっこう、可変的。 とはいえ、けして「ハズレも楽しむ」というほどに 達観的でもないんですよね。 チョイスを失敗したことを嘆いたり、 値段分の満足感を得たかどうか結論が出なかったり(笑) 良い意味で一般的。 そのへんの適度なこだわりと妥協を読んでいると なんだか妙にリラックスさせてもえらえるんですよね(笑)。 こういう漫画、好きです。 ドット絵で紡がれる、10年前と同じ姿で現れた彼女との恋愛ミステリー #1巻応援ILY. なるめsogor25大学に馴染めず中退してから就職もせず、バイトも転々としていて、実家からの6万の仕送りでなんとか食いつないでいる28歳の成田基生(もとき)。 彼の唯一の心の拠り所は、高校生の頃に付き合っていた彼女・百合沢愛理でした。 高校を卒業してから音信不通になってしまった彼女、それでも基生は携帯から毎日 愛理にメールを送っていました。 そんなある日、彼の携帯に愛理から10年振りに返信が届きます。 そのメールを見て逆に10年という年月と今の自分の現実を思い知らされた基生は、携帯を捨てて愛理のことを忘れるために 彼女と最後に行った思い出の海岸へ向かいます。 しかしそこで彼は10年前と同じ姿をした愛理と再会する、という導入の作品です。 この作品の1番の特徴は全編が"フルカラーのドット絵"で描かれていることにあります。 この作画に加えて、高校の頃の彼女が当時の姿のまま現れるというストーリー、そして各所に見られる演出などが組み合わさリ、かつてのノベルゲームのようなミステリアスな雰囲気を醸し出している作品です。 愛理は10年前と同じ姿であるというだけではなく、当時と同じように基生のことを想っている様子が伺えて、その様子が一層この物語の謎めいた雰囲気を引き立てています。 現状はまだ提示されている情報が少ないため、今後どのように展開していくのかが楽しみな作品です。 1巻まで読了 アラフォーおじさんをサイボーグ化する話今日から派遣サイボーグ 小泉ヤスヒロstarstarstarstarstarひさぴよ美人科学者・白井景子と冴えないアラフォー男・山田カズオ。偶然であった二人だったが、山田はなすがままサイボーグに改造され、思わぬ活躍?をするコメディ連載。 脳に電極を刺して感情をコントロールしたり、腕にパワーアームを着けさせたり、優しそうな雰囲気で、山田の人権など無視して機械化するのが面白い。 作者は『競艇少女』の小泉ヤスヒロ先生。十数年ぶりにこの方の漫画を読んだけど、ヒロインの表情が良いよなあとしみじみ思いました。内なる/外なる街の旅へ #1巻応援夢想のまち 夜の羊雲あうしぃ@カワイイマンガ憧れの街は私の中にありながら、私の想像を遥かに超えて存在している。その場所は私の中では朧げだが、出会ってしまえば豊かな質感を味わえる。 空想の儚さをリアルにするのは、いつだって私の一歩……そんな一歩の先を描いた物語です。 ★★★★★ とある夏に、雨の多い街に越して来た少女。鉛筆っぽいタッチで軽く描かれる街。そこは主人公にとって空想の場所であり、新しく触れる冒険=旅の場所。 下宿に身を寄せた前向きな主人公・友人になった内向少女・そっくりな二人の少年等、背景が少しずつ描かれます。激しいドラマは無く、その代わりに緩やかで優しい感情と、不思議だけれども豊かな質感があります。 細やかな感性に触れたいと思う方、穏やかな時間が欲しい方は是非こちらを。ゆっくりと一話ずつ味わっていただければと思います。チェーン店でちょい飲み!ひとりで飲めるもん! コナリミサト名無し影響力やばい!主人公がめっっちゃ美味そうに飲むんだもん。 お米と一緒に酒飲める人は共感度MAXですよ。 てんやでビールは最高でしょ…。今すぐ行きたい。 女子二人・心霊スポット探訪 #1巻応援ゆうやけトリップ ともひあうしぃ@カワイイマンガ急坂に幾重にも住宅が重なり、細い階段が複雑に続く町。懐かしい反面、廃れつつあるそこには心霊スポットが点在している。新聞部の女子はクラスの転校生女子を伴って、町の心霊スポットを取材して回る。 階段や廃墟好きな私にはどストライクなこの作品。ごちゃごちゃして、陰鬱としていて少し怖くて、退廃感が美しい。 心霊の謎を解く二人だが、転校生はどこか儚げで、古い風景に溶け込んでしまいそう。教室では接点の無い二人が、放課後だけ共に探索を楽しむ様子は楽しそうなのに、何処までも存在の不安が付き纏う。 心通わす二人の時間が、どうか消えないでと願ってしまう。楽しさの中に切なさを漂わせる作品だ。本当に遠吠えしてるローカル女子の遠吠え 瀬戸口みづきたか「地元から一度も出ずに結婚して子供がいる同級生」に対する冷たい描写が多くてはじめはちょっとビックリしました。 主人公・りん子のもの言いは地元が全然好きじゃない自分にとっては小気味よくもあり、でもその言葉の裏には仕事も結婚も東京でなにも成せなかったことへの負い目があってまさにUターン者の遠吠え……!だから愛せる。 楽しい静岡ローカルネタに、アラサーなら誰でも感じるような地元とキャリアと結婚への葛藤みたいなのが随所に入っててクセになります。 東京での仕事に疲れ地元静岡にUターンしてきたクソ真面目主人公・りん子と、東京から左遷されてきたゆる〜い男・雲春。恋愛至上主義で可愛いだけで人生渡ってる桐島。元モデルの卵・水馬。元超絶ブラック企業勤務のハッチ…。 濃いキャラたちが織りなす人間関係が面白い…! ハッチの目に光が戻る日は来るのだろうか…。 りん子の実家がスナックだと知った雲春が、りん子に「実家が水商売で驚いた?」と聞かれて「そんなことよりイルカ(の味噌煮)!」って言うとこ好きです。<<89101112>>
楽器未経験の病弱女子が、高校で金管五重奏の仲間に加わるお話。音楽を演奏する理由や仲間とは何なのかについて、優しくも真剣に伝えてくれる内容でした。 秋のアンサンブルコンテストが目標の五人。しかし初心者の主人公と、とにかく音を合わせるのが楽しい面々に、上を目指す緊張感は当初ありませんでした。 私はそこがすごく良いと思うのですが、強豪校との強烈な出会いによって、難しく考え始めてしまう。しかしそこで得られる新たな思考も前向きで、音楽の楽しみに向き合えているのが良いのです。 とかく部活漫画は、頂点を目指してキツい遣り取りがなされるのが常ですが、本作の五重奏は、仲間の結束を強めながら皆で目標を決め、真剣でも楽しく穏やかに取り組む。 タイトルの「レガート」とは音楽用語で「音を滑らかに繋げる」という意味。メンバー達の絆が次第に強まるのを見ていると、心を重ねて思いを繋げ、滑らかで美しい調和を作り上げる、そんな「音楽の喜び」のための作品になってくれそうだ、と感じました。 ★余談★ 高校生の吹奏楽部員にとって、夏の普門館(今は別会場)と秋冬のアンサンブルコンテストが二大大会になりますが(あとはマーチングもあるけど……)大所帯の吹奏楽部のアンコンはまず部内選抜から始まります。よってアンコンに出たことのある人は、実は少数派です。私は出られませんでした……。