30年ぐらい前の少女(大人向けかも?)漫画雑誌の、おそらく増刊号に掲載されていた読み切り作品を探しています。増刊号だと思う理由は、版型が小さくものすごく分厚かったからです。
絵柄は、あまり少女漫画らしくないサッパリした画風で、逢坂みえこさんの絵に似ていたと思います。
主人公は都会から田舎に転校してきた小学5年生くらいの男の子で、そこで「ゴマ」というあだ名の女の子と出会います。ゴマは日焼けして髪が短く言動も荒々しく、ぱっと見は男の子にしか見えません。主人公とゴマは何かにつけ張り合う仲になります。
あるとき、主人公とゴマが張り合って川の危険な場所で泳いだせいで、二人とも溺れかけて入院する事件がありました。先に退院した主人公が、仕方なくゴマのお見舞いに行くのですが、ゴマが病室で着替えているところを見てしまい、彼女がブラを付けていることを知ってしまいます。
その後、登校できるようになった二人はまた学校で喧嘩になって、主人公はついゴマがブラを付けていると皆の前でバラしてしまいます。
二人が気まずくなったまま、主人公はまた都会に戻ることになり、ゴマとはそれきりになってしまいました。
ここまでの物語は、実は大人になって漫画家になった主人公が子供時代を思い出して描いていた漫画作品です。そして、その作品を仕上げた主人公の仕事場に新しい担当編集者として今まさに向かっているのが、大人になって髪が伸びたゴマである、というところで短編が終わります。
最後に二人が再会するところまでは敢えて描かれていないのが良かったと思います。
国会図書館で当時の「ぶ~け」本誌を調べてみましたがなかったので、「ぶ~け」ではないようです(ぶ~けは増刊号ではないのですが、版型と分厚さが似ていました)。