水木しげる漫画大全集の感想・レビュー11件革命的な漫画貸本版悪魔くん 【水木しげる漫画大全集】 水木しげるstarstarstarstarstar線セーショナル※ネタバレを含むクチコミです。「総員玉砕せよ!!」読んでみた総員玉砕せよ!! 他 【水木しげる漫画大全集】 水木しげるstarstarstarstarstarかしこ大ヒット公開中の映画「ゲゲゲの謎」には水木しげる先生の戦争に対する考えが反映されているので映画を観る前に「総員玉砕せよ!!」を読むといいかもと言われたので気軽な気持ちで読んだらガーンとなりました。 戦地では兵隊の命が馬より軽かったというのも恐ろしいですが、玉砕に失敗したからという理由で上官が自決させられるのが本当に馬鹿馬鹿しくて腹が立つし悲しかった。軍医殿の「人間の生を人為的にさえぎろうとするのは悪だ」という主張が忘れられません。なぜ今も戦争しているんだろう…。 戦争の話はつい目を背けたくなってしまいますが水木さんの語り口は子供でも読めるものになっていますね。仲間から「お前の食い意地すごいな」と言われる水木さんにはニヤリとしました。これからバナナを食べるたびに思い出しそうです。意外と全然知らない昭和史昭和史 【水木しげる漫画大全集】 水木しげるstarstarstarstarstar_border酒チャビン昭和っ子なのですが、全然昭和のことを知らなかったと痛感させられます。まぁ私が物心ついた時点で既に8割終了してたので、それもやむなしなのですが。 昭和史というタイトルからは「昭和の歴史をマンガで紹介」みたいな感じに思えるのですが、本作はそういった部分ももちろん多分にありますが、それと同時に水木先生の半生を描いた作品にもなっています。マンガ家としての成功とかは結構あっさりスルーされますが、戦争に従軍された経験が、すごく事細かく書かれているので、戦争がどういうものだったのかが真に迫って伝わってきます。 だめです。戦争。 第二次世界大戦とか言いますが、日本にとっては太平洋戦争の方がしっくりくるのですね。そして、当初日本はアジアを欧米の支配から解放するという名目(建前半分かもしれませんが)あったのは知らなかったです。 というか太平洋戦争のことはほぼ知らなかったですね。第二次世界大戦というと、ヒットラーの話だと思っていたので・・・そういう部分を知れるきっかけになったので良かったです。つうか成都に米軍基地あったんや・・ 水木先生の人柄もかなり強く出ていて、こんなにも破天荒で面白い方だとは知りませんでした。水木先生の他のマンガもぜひ読んでみたいと思います。 印象に残ったシーンは、切った腕から赤ん坊の匂いがしてくるというシーンと、最後の水木先生のメッセージ的な〆の部分です。 太平洋戦争について興味がある方は絶対に読んだ方がいいと思います。 あと私も太平洋戦争について興味が出てきたので、他にもいいマンガないか探してみたいと思います。これほど濃厚な味のする、淡々と進行する漫画はない総員玉砕せよ!! 他 【水木しげる漫画大全集】 水木しげるstarstarstarstarstar完兀『総員玉砕せよ!』は巨匠・水木しげる先生が自身の戦争体験を基に描き切った長編戦記漫画だ(※新装完全版を読んでのクチコミです)。 等身大の兵隊さんたちの日常が淡々と描かれる前半から、その淡々さはあまり変わらないまま物語のトルクは増していき、やがて感動的というにはあまりにも悲しく、あまりにも空しい結末を迎えて話は終わる。私はこれを読み返す度に泣いてしまう。 巻末の筆者あとがきで「九十パーセントは事実です」と物語の最後を脚色したことが語られ、寄せられた解説ではそのことについて「(ラストのフィクション化によって)”事実を超える真実”を描くことに成功した」と評される。 とても同意できるのだが、私としてはあのラストは水木先生にこみ上げてくる”わけのわからない怒り”を最も強く紙にぶつける挑戦であり、戦死者の霊たちがさせた仕業ではないかと思う。そしてそのラストが”わけのわからない怒り”をどれだけ昇華させることに成功したかはわからない。確かなことは、強烈な読後感を読者に与えてくれるということだ。 ラストも印象的だったが、天国のようなところだと作中で触れられる舞台の美しい背景、とりわけ数度あらわれる鳥と花、及び天から射す光が印象的だ。 どれも日本人の想像する天国と結び付けられる存在なのだが、そういった観点で、鳥は物語から姿を消すタイミングが、花は背景に現れるタイミングが、天から射す光はコマとして使われるタイミングがなんとも思わせられる。特に花は、水木先生が大胆に意図して配したフィクションではないかと考える。泣けてくる。 それからこの作品と一緒に、ズンゲン支隊に関するNHKの戦争証言アーカイブの視聴も薦めたい。 水木先生の生証言は当然だが、堀亀二さんの証言なんかも必聴ものだろう。印象深いキャラクターである中隊長の下で戦争を過ごしたズンゲン支隊の生存者だ(1965年にズンゲン支隊の本を出版されてもいる。水木先生も資料としてあたったかもしれないが、この本は簡単には手に入らなさそうだ)。 最後に、些末な不満点が一つある。新装完全版『総員玉砕せよ!』はなぜ文庫サイズで発売されてしまったのか。同時期に出た『漫画で知る「戦争と日本」』と同様のA5サイズだったらどれほどうれしかったことか… 思ってたより冒険活劇だった縄文少年ヨギ 【水木しげる漫画大全集】 水木しげるstarstarstarstarstarひさぴよ縄文時代を舞台としているものの、あくまでも水木しげるの想像上の縄文であり、考古学的に合ってる合ってないといったツッコミは野暮かも。いたるところに南国の原住民の雰囲気があって、やはりパプアニューギニアでの体験から物語を作り出している感じがした。 基本は少年読者向けの冒険活劇ではあるけど、人間を食べる食べられる話がやたらと多かったり、おそろしい怪物に襲われたりといった話が多い。河童のようなもの(ほぼ河童だったが)、どこかで見たことあるような化物も出てくる世界ということで、あまり細かいことを気にしてはいけないと思いつつも、さすがに「空中大レース」の回だけは内容がハチャメチャすぎてツッコミ不可避の回だった。鬼太郎にはないテイスト貸本漫画集 【水木しげる漫画大全集】 水木しげるtakaaki※ネタバレを含むクチコミです。漫画の鬼太郎はイケメンじゃないけど可愛いゲゲゲの鬼太郎 【水木しげる漫画大全集】 水木しげる名無しゲゲゲの鬼太郎のアニメは観たことがあるけど、漫画版は読んだ事がないという人は意外と多いんじゃないでしょうか。漫画の鬼太郎はアニメとは雰囲気が全く違うんですよね。アニメだと鬼太郎のビジュアルがどうしてもイケメンになりがちですが、漫画だと三頭身ほどで興奮したときに出る鼻息の描写は格好良いというより可愛い感じです。漫画の方が水木先生の世界観が全面に出ているので、背景を含め、全体的に暗い印象を受けます。ただこれが妖怪たちの怖ろしさを掻き立ててくれるので、一度読んだら癖になること間違いないです。 水木しげる先生の自伝的漫画のんのんばあとオレ 水木しげる漫画大全集】 水木しげる猫あるくこの漫画を読むと大人になって忘れていた小学生の頃の自分が持っていた、純粋な気持ちが少しだけ蘇ってくるような気がします。 水木先生の優しさが大好きなんじゃー!なつかしい?ゲゲゲの鬼太郎 【水木しげる漫画大全集】 水木しげるめあ子供の時にアニメで見てもう一度見たくなったので!イメージが変わる…!!貸本版墓場鬼太郎 【水木しげる漫画大全集】 水木しげる 小泉八雲やむちゃきっと皆さんの知ってる鬼太郎ではないです。賢くて、優しくて、強くて、正義感にあふれていて…みたいなイメージが覆る。思ってたのとちがう。でもダークサイドな鬼太郎も段々好きになる不思議。 大人のための水木しげる世界怪奇シリーズ〔全〕/サラリーマン死神〔全〕他 【水木しげる漫画大全集】 水木しげる名無し背景の執拗な描き込みが醸し出すおどろおどろしさと、間抜けなキャラクターのギャップが素晴らしい。水木しげるは日本の妖怪のイメージしかなかったが、「世界怪奇シリーズ」はドイツやカンボジアなど外国が舞台で新鮮だった。徹底的に資料を調べるタイプらしく、風景や建造物、土着の神などの絵も非常に見応えがある。 人間社会みたいな地獄からやってきた「サラリーマン死神」はブラックな面白さと切なさが気に入っている。
※ネタバレを含むクチコミです。