遊☆戯☆王R

遊戯王Rと「冥府の使者ゴーズ」の思い出 #完結応援

遊☆戯☆王R 高橋和希 伊藤彰
ANAGUMA
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ふと思い立って検索してあらすじを見たところ「※デジタル版には同梱カードは付属しておりません。ご了承ください。」の注意書きがまず目に入ってちょっと笑ってしまいました。そらそうだろ。 さて、原作でいうバトル・シティ編と王の記憶編のあいだの出来事を描いたこのシリーズ。正確なところは覚えてないですけど、基本的には原作に接続する本編時系列の外伝エピソードという扱いだったはず。もちろん細かい不整合はあると思いますけど遊戯王で細かいことを気にする意味があるかどうかは…ね! 個人的な見どころとしてはペガサスにフォーカスした物語だということと、それに絡めて初心者デュエリストに優しいことで有名なあのバンデッド・キースが再登場する点、そして神のカードを3枚所有した状態のパーフェクト遊戯のデュエルが見られるところ(実はかなり貴重)。 ペガサスが三幻神を恐れて作ったもののヤバすぎて封印した邪神シリーズのおかげで当然ヤバいので立ち向かうというお話です。いつも言うが作るな、そんなカードを。 そんな元気のある本編以上に世界にインパクトを与えたのが当時の遊戯王OCGの環境を一変させたモンスターカード「冥府の使者ゴーズ」。本作の3巻に特典として付属しています。 あくまでマンガのオマケのカードですが、実際はこのオマケの需要が高すぎて3巻だけがどこの本屋にも無く、入荷されれば一瞬で売り切れるというのが当時の状況でした。大体のマンガって1巻が一番売れているものだと思いますが、この遊戯王Rに関しては絶対に3巻が飛び跳ねていると断言できますね。スターチップひとつと命を賭けてもいい。 死にものぐるいでこの表紙を探したデュエルキッズの多くが今や30代に差し掛かっているだろうな…怖。 https://manba.co.jp/boards/62637/books/3 で、そのゴーズ、どうしてそんなに人気だったのか。 ざっくりまとめると「どんなデッキにも入れられる。相手ターンに手札からほぼ制限なしで召喚できる。それで相手の攻撃を止められる。しかも2体出せる」というパッと見でもいや強いだろという仕様だったため。改めて書くとわけわからん性能だな。 細かい効果とOCG環境での歴史については遊戯王Wikiを見ていただければと思いますが、ゴーズがこの世界に印刷されたことで「攻撃力の低いモンスターから順番に攻撃宣言をする」というルール外ルールみたいなのがほぼ全プレイヤーに強制させられたのが影響力のデカさを裏付けています。古参の遊戯王プレイヤーは今でもその呪いにとらわれているとか。哀れな…。 https://yugioh-wiki.net/index.php?%A1%D4%CC%BD%C9%DC%A4%CE%BB%C8%BC%D4%A5%B4%A1%BC%A5%BA%A1%D5 もちろん自分もデュエリストとして友人にダメージを与える度にカードショップで大枚をはたいて手に入れたゴーズとカイエントークン(※手近な消しゴムの姿を取って現れることが多い)が手札(と筆箱)から飛び出してきて何リットルもの煮え湯を飲まされてきたわけですが、当時遊戯王Rは読んでいなかったのです。 そのため結局ゴーズが原作でどんな使われ方をしているのか分からないまま青春を過ごしました。あのときの私たちは「カードついてない単行本を古本で買うの癪だな…」という気持ちを抱いたまま雰囲気でゴーズを使ったり使われたりしていた。 時が経ち環境も変わり、あれだけ猛威を奮ったゴーズも段々と存在感をなくしてきた(OCG界の生存競争はどんなカードにとっても平等に過酷なため)ある時、なにかのタイミングで本作を手に取る機会がありました。 さんざ苦しめられた憎っくきゴーズ、よほど性格の悪い敵キャラが使ってくるんだろうなと予想しながら本作を読み進めていた私は思わず「えっ!?」と声を上げてしまいました。 そこには冥府の使者ゴーズとカイエンを堂々と召喚する我らが主人公、闇遊戯の姿があったのです…。 お前が…使うんかい…! 以上、ゴーズ今昔物語でした。 「森の番人グリーン・バブーン」については次の方に筆を譲ります。

犬マユゲでいこう

つねに透と行動をともにする なぞの忍軍団

犬マユゲでいこう 石塚2祐子
サミアド
サミアド

Vジャンプで1994年から続いている長寿エッセイ漫画です。 内容はTVゲーム…のはず……ですが作者の石塚さんが食べ物やマイブームについて語るだけで終わる事もあります。 多々あります。 掲載誌は最新ゲームや編集部が推すゲームを販促して欲しいはずですが、大人の事情 完全☆無視でゲームボーイやファミコンの話をします。 「三國無双」などにドハマリしたら数ヶ月 同じ題材の漫画が続きます。フリーダムにも程がある。 実在の編集者や業界の大御所が漫画に登場しては作者の自由っぷりに振り回されます。(イヨクだけは逆に振り回す事があります) TVゲーム会社の社員とグルになって社長をハメる話とか面白いです。 ゲームの楽しみ方が独特で、メーカーが想定しない遊び方を勝手に編み出します。 ・キャラクターを変なあだ名で呼ぶ ・ドラクエでモンスターの調理法を考えながら戦闘 ・どうぶつの森で悪徳タヌキと仁義なき戦い ・箱庭系ゲームで異常なコンセプトに固執 ・WIZで名前を「ブラックバス」にして魚がピチピチ跳ねながら魔法を唱える姿を妄想 本人は嫌がるでしょうが、ゲーム系YouTuberの才能があると思います。企画だけでも需要ありそう。 石塚さんは自由に楽しむ姿を漫画で魅せる事で、閉塞感に囚われて生きる私達の心を救おうとしているのでは……いや、ないな。 画像はサウンドノベル「かまいたちの夜」を更に楽しむ方法です。 主人公の透は「透と百人の忍」 ヒロイン真理は「真理とヒグマ」に名前変更します。頼もしい助っ人ですね。 単行本「ア・ティエンポ」に収録されています。