声楽マンガの感想・レビュー7件ギリシア詩人少女のロマンシス(百合の日2022記念⑤)うたえ! エーリンナ 佐藤二葉あうしぃ@カワイイマンガ舞台は古代ギリシア。詩人を目指す少女の物語は、不自由な女性の生き方への抵抗と少女達の友情、両方に勇気づけられる。 実在の伝説的女詩人・サッポーが少女を集めた合唱隊は、女学校的女子教育の場所。そこに来るのは嫁入り修行が大半なのに、主人公のエーリンナは本気で詩人を志望する。 結婚に興味無く、男女の差別に疑問を持ち、がさつだけと前向きなエーリンナはしっかり者の同輩・バウキスを困らせながら次第に仲良くなる。 結婚を宿命づけられるバウキスをエーリンナはどこまでも想い、詩作の動機とする。二人はずっとこのままで……と願うのは、日本における「エス」を見た時の感情に近いだろう。 師匠たるサッポーが様々な考え方を教え、少女達を慈しみ育てるのも良く、古代ギリシアの事がビジュアル込みで伝わる歴史物としても楽しい。男子と対等に喧嘩するエーリンナの姿は、現在(2022年)佐藤二葉先生が連載中の『アンナ・コムネナ』のオスマン皇女アンナとも重なる。長い年月抑圧されてきた女性が戦う物語としても、とても胸躍る一冊だ。"今"を生きてる高校3年生たちの群像劇 #1巻応援クレッシェンドで進め 宇仁田ゆみnyae受験シーズン真っ只中に行われる校内コーラス大会の練習や準備に追われる様子を賑やかに描いた1冊。途中までピンとこなかったんですが、最後のセンター試験と言っていて、あ、これまさにいま(物語の中でいうと2019年夏)を生きている高校生の話なんだと気づきました。人によっては失敗できない大変な状況だったりするんですね。 そんな忙しい中でやらなければならないコーラス練習。本来ならば適当に済ませて大事な試験勉強の方に時間を使いがちな気もしますが…なにがクラスをひとつにしたのか、そのきっかけが「優秀な成績をおさめたクラスに与えられる学校オリジナルの手ぬぐい」というところが高校生らしくて可愛らしいのです。 また、あらすじにもあるようにクラス内にいくつも発生する「片思いの連鎖」も見どころ。ほんとどこまで続くのこれ!?という感じ。 いろんなものを乗り越えて大会の本番を迎えたクラスはどんなステージを見せてくれるのか。私は鳥肌が立ちました! 1冊完結でさほど長くない話ですが、みんないい子たちなので、これからいろんな辛いことたくさんあるかもだけど頑張って生きてね…と謎の目線で読んでしまった。工業高校×合唱部のボーイミーツボーイはしっこアンサンブル 木尾士目たたみ声変わり以降うまくしゃべれなくなってしまった、ぼっちな主人公。 人と会話しなくてすむ仕事に就きたいと、工業高校に入学するが、そこに運命の出会いが待っていた。 それは1人で『合唱部』を作るべく奮闘する、変わり者の同級生。 周囲の生徒から白い目で見られながらも、まったくブレることなく自分を貫きとおすその姿に、主人公は少しずつ心惹かれていく……。 という序盤はかなり王道で、合唱×工業高校というあたりが今までにない世界観で非常に面白い、のだが。 問題は、なぜ運命の相手が美少女ではなく『眼鏡男子』なのかという点である。 その答えは、作中にきっちり描かれている。 工業高校における圧倒的なリアル(女子率の低さ)が……。 とにかくこの作品には女子など不要。 ちゃらちゃら恋愛にかまけず、夢へと爆走するピュアな男子たちの青春物語を期待しつつ、主人公の成長を見守って生きたい。 ※もちろん大野さん的なキャラが登場してくれてもいいと思ry「君も天使?」MAMA 売野機子せのおです( ˘ω˘ )※ネタバレを含むクチコミです。 早く教えて欲しかった漫画…!苦くて熱いジュブナイルはしっこアンサンブル 木尾士目たか元合唱部としては絶対読まねばと思いつつ積ん読していたこの作品。んも〜〜!!ただただ最高でした。 主人公・藤吉晃(あきら)は声が低すぎることがコンプレックスな工業高校の1年生。彼と同じ1年生には合唱部を作ろうとする「並の精神力ではない」凄みを感じさせる男・木村仁がいて、毎日毎日昇降口で1人で歌っている。 理論的な発声・和音の知識を持つ仁は作中で少年探偵の「コ○ン」と呼ばれるけど、実際その精神力の強さは弱虫ペダルの坂道くんのよう。 なんというか…物事に本気の人間だけが見せる狂気じみた強いハートが仁の魅力で、彼を見ているとあっという間に作品に引き込まれていきました。 仁が主人公の名前を聞いて「三善晃みたいだね」と言った合唱部ジョークにはファミレスで読んでて噴きました!(曲集「生きる」大好きです…!) 工業高校の授業、個性的な友人、家庭環境、人体・歌唱の理論的な解説。 あらゆる要素がまさにハーモニーを作り出していて読み応えがあります。 1巻を読みながら2巻をポチって読破しましたが、2巻は予想だにしない壮絶な展開で圧倒されました…。 でも何より、その重い展開を合唱曲が理論と精神両面から救いをたらすという構成が最高でした!! 今度合唱部の同期と会うときは人数分用意して配ります。 (画像は1巻より)声聞いてみたい!はしっこアンサンブル 木尾士目大トロ低い声は努力で出るものじゃないからほんと才能ですよね! これからの展開が楽しみです!心が温かくなりますくちびるに歌を モリタイシ 中田永一大トロ小説が原作ですが、モリタイシ先生っぽいなと思いました。キャラクターの魅力や学園の模様などや心理描写など。 3巻完結ですしふと思ったときに気軽に読めるのもいいですね。
舞台は古代ギリシア。詩人を目指す少女の物語は、不自由な女性の生き方への抵抗と少女達の友情、両方に勇気づけられる。 実在の伝説的女詩人・サッポーが少女を集めた合唱隊は、女学校的女子教育の場所。そこに来るのは嫁入り修行が大半なのに、主人公のエーリンナは本気で詩人を志望する。 結婚に興味無く、男女の差別に疑問を持ち、がさつだけと前向きなエーリンナはしっかり者の同輩・バウキスを困らせながら次第に仲良くなる。 結婚を宿命づけられるバウキスをエーリンナはどこまでも想い、詩作の動機とする。二人はずっとこのままで……と願うのは、日本における「エス」を見た時の感情に近いだろう。 師匠たるサッポーが様々な考え方を教え、少女達を慈しみ育てるのも良く、古代ギリシアの事がビジュアル込みで伝わる歴史物としても楽しい。男子と対等に喧嘩するエーリンナの姿は、現在(2022年)佐藤二葉先生が連載中の『アンナ・コムネナ』のオスマン皇女アンナとも重なる。長い年月抑圧されてきた女性が戦う物語としても、とても胸躍る一冊だ。