概要
1944年9月15日から11月24日、ペリリュー島では70日に及ぶ激戦の末、日本軍、米国軍合せて1万2千を超す命がこの地に散った過酷な戦いがあった事は、今まで多く語られてくる事はなかった。第二次世界大戦終結から70年を迎えた2015年4月9日、天皇・皇后両陛下がパラオ共和国ペリリュー島で戦没者を追悼された。日本軍約1万人が戦死したペリリュー島に建てられた「西太平洋戦没者の碑」に、日本から持参された白菊の花束を手向け、深々と一礼された後、海の上はるか先に望むアンガウル島の戦没者にも拝礼された。2016年、ペリリュー島の戦いをテーマにした映画『追憶』公開、漫画「ペリリュー -楽園のゲルニカ-」が発表された。“戦争を知らない世代”が映画、漫画を通し“戦争を語り継ぐ”という共通点があるこの2作品は多くの注目を集めた。そして終戦から72年を迎える今夏、映画『追憶』DVD発売、漫画「ペリリュー -楽園のゲルニカ-」第3巻の発売を記念して、終戦72周年企画「平和への思いを紡ぐ、ペリリュー島の記憶」ペリリュー原画展の開催が決定した。過酷な戦いゆえに今まで語られる事がなかった1944年ペリリュー島の戦いを、日米双方からの膨大な資料映像により克明に描き出した渾身のドキュメンタリー映画『追憶』(監督:小栗謙一、語り:美輪明宏、出演:ローズ・テロイ・シレス)は、2016年11月5日に東京都写真美術館で公開され、新聞をはじめ「news every」「皇室の窓」など多くのTV番組でも取り上げられた。終戦記念日に向け8月2日にDVDが発売される。2017年度の日本漫画家協会賞優秀賞を受賞した「ペリリュー -楽園のゲルニカ-」は、太平洋戦争末期のペリリュー島を舞台に、マンガ家志望の兵士・田丸の過酷な日常を描いた作品。ヤングアニマル(白泉社)で連載中で、原案協力として太平洋戦争研究会・平塚柾緒が名を連ねている。7月28日に単行本第3巻が発売された。同展は茨城・筑波海軍航空隊記念館と熊本・中川道之ギャラリーでは7月28日より、東京・LOFT9 ShibuyaのCafeスペースでは8月1日より行われ、会場では武田の原画やペリリュー島の戦いの資料などを見ることができる。