幕末を生きた、異端の侍大家の物語…完結! 華のお江戸の片隅に、小さな長屋がありました。侍が大家をつとめるこの長屋、店子は揃いも揃って「ワケあり」者ばかり! 元・科人のおりん、妹の仇討ちをあきらめた百姓の才助、夫に捨てられた登勢、みなし子の安坊――― かしましくも人情に溢れたここ「こはぜ町」の長屋にも、時代の変化の波が押し寄せる。江戸から明治へ―― 何もかもが変化を強いられる、激動の時。ここに、語られざる「市井の」幕末維新史がある。優しさ以上、お節介未満。ちいさな長屋の大きな人情。感動のフィナーレをとくとご覧あれ!
昌原光一ってすごい。 昌原先生の作品は「江戸の告白」がモーニングで掲載されていたのを見かけたことがあるだけで全く読んだことがなかった。 自由広場(https://manba.co.jp/free_spaces/15703) のカキコミでこの作品のタイトルは知っていたが、本屋で平積みにされた表紙を見て、「あー! あの顔が四角い人(の作品)だ」と気づき購入。 ポトガラヒーのタイトルに偽りなく、読んでいるとキャラクターがデフォルメされていることも忘れるほど写真のような生々しさを感じた。 陰と光の描き方が独特で、読み終わるころにはすっかりこの絵柄に惚れてしまった。 最初は流し読みしていたのに、大家・弥一郎の義理がたさに感化され気付けばがっつり集中して読んでいた。 各話の間にフランス人写真家らしき人物の手紙らしきものが挿入されており、それがいい味を出していたのだが、巻末の参考文献の1つにイザベラ・バードの日本紀行が入っていたのを見て納得。 歴史好きな人はぜひ手にとってください