あらすじ

これは君が選んだ道の先に広がる数多の可能性のうちのわずかひとつかみを綴った物語 君の選んだ道の全ての行く先に幸多からんことを。√Xの3編に加え、サイドストーリーを収録。※こちらの商品には、巻末にデジタル版限定特典イラストが収録されています。※
【デジタル版限定特典付き】性別「モナリザ」の君へ。 1巻

この世界で人間は12歳を迎える頃、自分がなりたい性へと次第に身体が変化していき、14歳になる頃には男性か女性へと姿を変えてゆく。でも自分だけは性別がないまま、18度目の春を迎えた…。※こちらの商品には、巻末にデジタル版限定特典イラストが収録されています。※

【デジタル版限定特典付き】性別「モナリザ」の君へ。 2巻

この感情の正体は何なのか…。無性別で迎えた18歳で初めて感じた胸の高鳴り。「好き」という言葉に、いくつもの意味があることを知ってしまった。誰かその意味の違いを教えてください…。※こちらの商品には、巻末にデジタル版限定特典イラストが収録されています。※

【デジタル版限定特典付き】性別「モナリザ」の君へ。 3巻

変わることがないと思っていた景色が違って見えるのは、周りが変わったのか、それとも自分が変わってしまったのか。でも、なんだかそれが気持ち悪いようで心地よくもあって…。※こちらの商品には、巻末にデジタル版限定特典イラストが収録されています。※

【デジタル版限定特典付き】性別「モナリザ」の君へ。 4巻

「今まで通り」そんな言葉に安心していたけれど、ふと気が付くと、元の場所にいるのは自分だけで、周りの景色はどんどん変わっていってしまう。本当は気が付かないようにしてるだけ? ※こちらの商品には、巻末にデジタル版限定特典イラストが収録されています。※

【デジタル版限定特典付き】性別「モナリザ」の君へ。 5巻

変わらないことを望んでいるのは自分だけで、周りはどんどん変わっていく…。でもきっとそれは、何かを変えたくて乗り越えようとしたのかもしれない。もうこれまでの自分ではいられない。※こちらの商品には、巻末にデジタル版限定特典イラストが収録されています。※

【デジタル版限定特典付き】性別「モナリザ」の君へ。 6巻

男だから、女のくせに、無性別なのに。こうあるべきだと何となく思われているものに支配されてしまう。でも何が間違っていて、何が正解なのか、答え合わせもできないまま…。※こちらの商品には、巻末にデジタル版限定特典イラストが収録されています。※

【デジタル版限定特典付き】性別「モナリザ」の君へ。 7巻

何よりも自由であることを望み、くくられることを嫌ったあなた。世界の網の目を抜け出し、その先に何を見たのだろう…。今となっては誰にも分からない。※こちらの商品には、巻末にデジタル版限定特典イラストが収録されています。※

【デジタル版限定特典付き】性別「モナリザ」の君へ。 8巻

「性別」って何だろう? 【青】でも【赤】でもない自分が、曖昧な色が許されないこの世界で見つけ出した答えとは…。すべての性別「モナリザ」の君へ捧ぐ。※こちらの商品には、巻末にデジタル版限定特典イラストが収録されています。※

【デジタル版限定特典付き】性別「モナリザ」の君へ。 9巻

これは君が選んだ道の先に広がる数多の可能性のうちのわずかひとつかみを綴った物語 君の選んだ道の全ての行く先に幸多からんことを。√Xの3編に加え、サイドストーリーを収録。※こちらの商品には、巻末にデジタル版限定特典イラストが収録されています。※

【デジタル版限定特典付き】性別「モナリザ」の君へ。 10巻

これは君が選んだ道の先に広がる数多の可能性のうちのわずかひとつかみを綴った物語 君の選んだ道の全ての行く先に幸多からんことを。√Yの3編に加え、サイドストーリーを収録。※こちらの商品には、巻末にデジタル版限定特典イラストが収録されています。※

性別「モナリザ」の君へ。

男と、女と、オマァさん

性別「モナリザ」の君へ。 吉村旋
ゆゆゆ
ゆゆゆ

主人公のひなせは、性別が決まっていない「準モナリザ症候群」の高校3年生。 性別を持たない子どもは、通常12歳から14歳で肉体的に男か女に変わっていくはずなのに、変わらないままでいる。 変わらない理由はわからない。 気にならなくなっていた無性別の状態。 でも幼馴染二人の思いを受け、18度目の春は激動のものへと変わり始める――。 読みながら、こういう存在がオマァさんなのかと思った。 オマァさんというのは、昔々、予備校の先生が授業で「ここに、男と女とそれ以外の性別。仮にオマァさんというのがあるとしよう」と言っていたのをきっかけに覚えている単語だ。 なんのくだりで、そんな話をしたかはわからない。 謎の音を発していたので「オマァさん」は私が聞き取れた音で、先生が本当は何と言っていたのかもわからない。 とにかく、男と女以外の、肉体的に存在している性別。 半陰陽でもなく、精神的にでもなく、難しいことは置いておいて、第3の性別であるオマァさんがあるのが当たり前の世界を考えてみようと、先生はいった。 この漫画におけるオマァさんは、無性別という性別になるんだろう。 ふんふんと読み進めていくと、無性別のひなせという存在があるからこそ、男らしさや女らしさ、恋愛について考えさせられると思った。 ひなせは男らしくも見えるし、女らしくも見える。 本人はどちらでもないのに、周囲の反応で性別が見えるような気がしてくる。 今、4巻ほど読めたところなのだけど、私には「ひなせ」の性別が今後どうなるのか、想像がつかない。 ひなせの恋愛感情に対する葛藤、幼馴染ふたりの恋の行方。 残り6巻、どのような展開になるんだろう。

性別「モナリザ」の君へ。

男性・女性・無性別、それぞれの目線で恋愛感情を因数分解していく作品

性別「モナリザ」の君へ。 吉村旋
sogor25
sogor25

1巻で物語の設定と主要キャラ3人の関係性について描き、2巻では3人のキャラクターの感情の表現を深めていく。しおりとりつは男性・女性の目線で好きの感情を、ひなせはそのどちらでもない位置からの2人への感情を因数分解していく。その感情の掘り下げ方が凄く丁寧。 しおりとりつの2人は「ひなせの性別を決めさせる」という大きな目的がある分、より性差を強調した感情の表現を見せる。一方のひなせは、無性別という立ち位置ながら、中庸ではなく両性を持ち合わせたような感情を見せる。本人たちにそこまでの自覚がなくて戸惑いを見せる所も含めて実に面白い。 後天的に性別を選択できる世界を扱った作品としては最近では「境界のないセカイ」「選択のトキ」などもあったけど、今作は性選択≒恋愛対象の選択という意味合いが強くて、性別と恋愛感情というところに強くフォーカスしている印象がある。その上で、(ゼロではないけれども)安易に性愛の話に持っていかずに、性別と感情の結びつきに重点を置いてモノローグが展開している。その辺りが革新的でもあり、自身の感情を重ね合わせての考察が捗る。 ミクロでこの作品を見ていくとこういう感じなんだけど、物語をマクロで見ていくと突然「無性別のまま20歳を迎えた人間は存在しない」という新たなテーマが出現する。2巻の展開で、実はPSYCHO-PASS的なディストピアっぽい裏設定が隠れているのかもしれないと想起もさせる。3人の関係性も含めてまだまだ作品の底は見えない。 2巻まで読了。