あらすじ

いよいよ法廷闘争へ… 運命の判決は!? 遠隔操作ウイルス事件で誤認逮捕され、当初は否認していたものの罪を自白した19歳青年が、保護観察処分となった。ところがその後、冤罪だということが判明したのは記憶に新しい。捜査機関が、青年が真犯人であるという自分達に都合の良い ストーリーを創作し、それに従った形で強引に自白を引き出したのは明かだ。しかし本作品を読めば、そんなのは日本の検察では当たり前のことに過ぎないという事実を知ることになるだろう。「背任」と「偽計業務妨害」で逮捕・起訴された元外交官・憂木衛の主戦場は裁判所となった。憂木が取り巻きにいい顔したいため、外務省の関連機関からカネを引き出し、イスラエル人教授夫妻に日本旅行をプレゼントしたと検察は言う。憂木がイスラエル出張したのも、公金で観光旅行をしたのだと。憂木が反論すべくイスラエル人教授を証人として呼ぼうとしても、来日したら逮捕するかも… と検察は教授を脅迫し、外務大臣は公判で外務省職員の証言を禁止する。卑劣で汚い東京地検特捜部と外務省の前に、このままでは有罪確定…… 絶体絶命の大ピンチ! 憂木に反撃のチャンスはあるのか!?
憂国のラスプーチン 1巻

外務省と検察の謀略を揺るがす男あり! 言論界の雄・佐藤優が、天才ホラー漫画家・伊藤潤二と手を組んだ!! おまけに脚本をサポートするのは、浦沢直樹作品の共同制作者・長崎尚志。この異色の組み合わせが、外務省と検察の秘められた謀略をあぶり出します。“外務省のラスプーチン”と呼ばれた辣腕外交官が、北方領土返還に尽力しながらも“国策捜査”の名の下に逮捕されるところから物語が始まります。ソ連、ロシア政権上層部に最も食い込んだ西側の“スパイ”としての活躍と、取調室で繰り広げられる東京地検特捜部エリート検事との壮絶な闘いを描きます。連載当初から賛否両論の嵐だったのですが、厚労省・村木局長の無罪判決、大阪地検特捜部の前田検事逮捕など、世間の情勢も追い風となり、本作品への関心・支持が高まっています。社会問題に関心の強い読者から、もっと外務省や検察の本質に迫ってくれとの激励も多く、これまでの小学館コミックの中でも異彩を放つ作品となっています。

憂国のラスプーチン(2)

中身はほぼ真実! 国会議員の愛読者増加中! 元外交官の主人公・憂木衛は、背任と偽計業務妨害の容疑で東京地検特捜部に逮捕されたものの、断固として無実を主張する。手こずった検察は、周囲の関係者を続々と逮捕し始めた。ロシアで親しくしていた商社マン、筋の通らない事は納得しない外務省の同僚…… いずれも憂木が一目置く、気骨ある男ばかり。ところが皆、次々と憂木の罪を認めていく……!? 一方、憂木が尊敬する都築議員も逮捕されるが、断固として無実を主張。すると検察は、難病で治療中の元女性秘書を逮捕した。逮捕・勾留されると満足な治療を受けられず、命に関わると都築は焦るが……? 容疑者を“落とす”ためには、逮捕して拘置所に監禁し、罪を認めるまでずっと保釈しないというのが、検察の国策捜査の実態なのだ。憂木はどう対抗するのか!?

憂国のラスプーチン(3)

外務省にはなぜ幽霊が出るのか? 小沢一郎氏の秘書が逮捕・起訴された陸山会事件も、執行猶予付き有罪判決とはいえ、供述の任意性に疑問ありとして東京地検特捜部の提出した調書が大量に裁判所に却下されています。厚労省・村木局長無罪事件に引き続き、検察の取調べに疑問が高まっています。どうしてそんなことになったのか? たまたま特捜部検事がダメな人、問題人物だったからなんでしょうか。逮捕された本作の主人公は、とにかく検察の作った“ストーリー”通りの供述を迫られます。事実と違うからと拒否すれば、ずーっと勾留されるだけ。しかも言うことを聞かなければ、同僚や友人も逮捕するぞ、と脅される。理不尽な取調べに耐える主人公は、まるで平成の“巌窟王”!! 今回はそれに加え、政官界の裏話を満載! いじめ蔓延る外務省の幽霊話。3人の総理大臣の人間性の違い。正義の味方ヅラした報道記者が、外務省のカネで酒や女の接待を受け、抱き込まれていくプロセス。国民的人気者の女性外務大臣が、「感動した!」首相に更迭された理由…… わが愛する日本の恥部や暗部が、大いに楽しめる内容ともなっています(苦笑)。これを読めば、あなたも政官界通をきどれる… かも(!?)

憂国のラスプーチン(4)

日本の危機を理解する最高のテキスト 東日本大震災以降、政府および官僚に対して、強い不信感が蔓延しています。各種世論調査でも内閣支持率は大きく下落し、震災・原発対策も政府の対応は満足できないと考える人が多数です。政治と行政に対する、この強い不満はどうしてなのか? 逮捕された外交官である主人公の体験談から、日本の問題点が鮮やかに浮き彫りにされてきます。国民的な人気者・小泉元首相の政治的に危険な本質に、国民は気付いていたのか? アフガニスタン戦争で深いトラウマを負った帰還兵と、“黒い大佐”と呼ばれる危険な政治家との出会い…… “現代のファシスト”と形容された、その政治家の愛国心は、今の日本に最も必要とされるものではないか? 北方領土返還において、国内には「四島一括返還」と吹聴しながら、ロシアに対しては「柔軟に対応する」という二枚舌を、政府と外務省が行っていたのはなぜなのか? 我が日本の潜在的な危機が、漫画で分かりやすく伝わってきます。雑誌掲載時に、「描写が残酷すぎる」「戦争の本質が伝わった」と賛否両論となったアフガン帰還兵編を収録。今、日本で最も権威と伝統に阿らない漫画第4弾、登場!!

憂国のラスプーチン(5)

証拠が無くても有罪にするのが検察の流儀! 外交官・憂木衛が背任と偽計業務妨害の容疑で東京地検特捜部に逮捕されて4か月。これまで丁々発止の戦いを続けていた西村検事の取調べが突然、終了した。当時の総理大臣に依頼され、プーチンの黒幕にあたる人物を探るため、イスラエルのモサドに協力を仰いだと憂木が発言したとたん、である。これが事実なら、憂木の無罪はもちろん、外交や政界のタブーに踏み込むことになる…… と検察が気付いたからだった。明らかになったのは、憂木や都築峰雄議員にかけられた全ての容疑が、起訴できるほどの根拠が無い、ということ。普通なら無罪放免である。だが検察は逮捕した以上、絶対に裁判で有罪にしてやると言うのだ。………これは発展途上国や軍事独裁国家の話ではない。先進国・日本の 現実なのだ! 信じられるだろうか!? しかし憂木はたじろがない。“国策捜査”に立ち向かうべく、いよいよ第1回公判を迎える…!! 本誌掲載時に好評を博したプロレスラー・アントニオ猪木参議院議員のソ連での活躍を描いた前後編も収録、ますます読み応えを増した第五弾!!

憂国のラスプーチン(6)

いよいよ法廷闘争へ… 運命の判決は!? 遠隔操作ウイルス事件で誤認逮捕され、当初は否認していたものの罪を自白した19歳青年が、保護観察処分となった。ところがその後、冤罪だということが判明したのは記憶に新しい。捜査機関が、青年が真犯人であるという自分達に都合の良い ストーリーを創作し、それに従った形で強引に自白を引き出したのは明かだ。しかし本作品を読めば、そんなのは日本の検察では当たり前のことに過ぎないという事実を知ることになるだろう。「背任」と「偽計業務妨害」で逮捕・起訴された元外交官・憂木衛の主戦場は裁判所となった。憂木が取り巻きにいい顔したいため、外務省の関連機関からカネを引き出し、イスラエル人教授夫妻に日本旅行をプレゼントしたと検察は言う。憂木がイスラエル出張したのも、公金で観光旅行をしたのだと。憂木が反論すべくイスラエル人教授を証人として呼ぼうとしても、来日したら逮捕するかも… と検察は教授を脅迫し、外務大臣は公判で外務省職員の証言を禁止する。卑劣で汚い東京地検特捜部と外務省の前に、このままでは有罪確定…… 絶体絶命の大ピンチ! 憂木に反撃のチャンスはあるのか!?