せつなくも温かい少年少女の成長物語 世界大戦が終わって、少年たちは生まれた。まだ誰も、そのあと「第二次」が起こるとは知らなかった頃―― ここは第二次大戦前のフランス。ドイツとの国境に近い町。いつも明るい少年モモが、あきらめと悲しみにまみれた人々を少しずつ変えてゆく。彼の笑顔と勇気は町の子供たちを動かし、大人たちの丸まった背中にも、そっと寄り添うのだった。しかしモモには、ある秘密があって…… 差別と分断、見て見ぬふり、忍び寄る不安。「やがて悲劇を迎える時代」に生まれた少年少女の、切なくも温かい友情と成長の物語。――誰かの「花」を、踏みにじることなかれ。描き下ろしカラーイラスト4p収録!
第一次大戦後のフランスを舞台に、重くるしい情勢の中でも、逞しく生きていく人々の物語。セリフで多くを語らないタイプの作品ではるが、それでもちゃんと伝わってくるものがあって素晴らしい。どうしても単純に「良いお話」として読むことが難しいのは、次の大戦が控えていることを歴史として私達が知っているからに他ならない。子どもたちの明るい笑顔をもってしても、戦争の虚しさや悲しさから目を逸らすことはできないのだ…。 ちなみに、読み切り版がWeb公開されているのでこちらもおすすめ。(ビッグコミック2017.vol7に掲載) http://comic-soon.shogakukan.co.jp/blog/news/marco-artiste-preview/