あらすじ大天使ミカエルの槍の直撃を受けて大けがを負ったマリア。そのうえ戦場の兵士からも暴行を加えられそうになったところへ、イングランドの魔女・ビブが駆けつける。戦争に介入し続けてきた最強にして処女の魔女・マリア、彼女が今必要としているものは何なのか。戦争と大天使にケンカを売り続けた魔女マリアの伝説、ここに堂々完結! カバーや本体表紙もきっちり収録!
イングランドとフランスの百年戦争を舞台に、本物の魔女(生娘)が戦争を食い止めるためにドタバタ孤軍奮闘する話。 石川雅之先生の描く女の子には独特で不思議な質感の色気がありますね。 連載当時の十余年前にも読んでいたはずですが、今よりずっと歴史や宗教の知識が無かったのでさっぱりわからずじまいだったと記憶しています。 信仰とは救いとは何なのかといった問いから始まり、道徳や善など倫理学的なテーマにも通ずるストーリーになっており、大変深くて濃い味がします。御託は抜きに、感情や価値観をガッシガッシ揺さぶられてシンプルにめちゃめちゃ面白い。 というかこんなゴリゴリに人文学なマンガ描いておられたと思ったら最新作『惑わない星』はバキバキ理系なやつなの本当に在野のインテリって感じでかっこいいです。