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パティシエだった彼からは甘いバニラの香りがした。指からはココア。唇からはラム酒。甘く熱い愛撫。私をとろけさせる交わり…。日々繰り返す甘美な営みを私は愛だと信じていた。1年前のあの日まで――。「あの子が新しいセッ○スフレンド?」私はただのセッ○スフレンドだった――!! ホロ苦い想い出…。今も美味しいケーキを食べる度に思い出す…。私は松永麻里子。結婚を来年に控え、今日は結婚式の打ち合わせにホテルに来た。婚約者の学さんは、お見合いで知り合って間もないけれど優しくしてくれる。私はきっと幸せになる――!! そんな私達の前に現れたパティシエは、1年前私を傷つけた男、彰人だった。彼は私を厨房に連れ込むと、無理矢理私を…!?