あらすじ語られない想い。満たされることのない心。彼女たちは何に己を捧げ、仕えるのか?静謐で美しい光の中に見え隠れする不穏な世界。『どぶがわ』『繕い裁つ人』の著者が全篇フルカラーで魅せる、修道女の愛の讃歌。置き去りにしてきた喪失感とひきかえに、わたしがたどりついた場所。「Championタップ!」にて掲載された作品に描きおろしエピソードを追加し、全ページカラーで単行本化。
まず全ページカラーで単行本化されているんだけど、光の感じが全ページ凄まじい。これだけで引き込まれるものがある。 物語はある修道院の修道女の話で、基本的に修道女としての務めを果たしていく姿が描かれているんだけど、言葉にしがたい不穏さのようなものがどこかから漂ってきて、平和な世界のはずなのに終わりが用意されているような緊張感が常にある。 漫画に音というのはないんだけど、それでも静かな漫画と表現をしてしまいたくなるほど、静けさが全体に満ちている。修道女という与えられた生き方の中で自分と神と家族への愛を静かに問いかけ続ける漫画。とても良かった。