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戦時下の空に、機密を運ぶ任務を担いながら、無数に散っていった軍鳩(ぐんきゅう)。どこにも帰り着くことができなかった彼らの魂と、少年ダヴィーの心の交流を描く。魂を激しく揺さぶる傑作ダークロマン、大容量の描きおろしを加え、待望の刊行! 古屋兎丸、心酔。「生ける通信兵器として訓練された彼ら。傷つきながら飛ぶ姿に心の奥底が震えた。鳩山さんの紡ぐ言葉、物語、少年たちは鳥肌が立つほど美しく、痛い。」 ヴァイオレット・スプリング・シティへと向かう寝台列車。両親と旅行中の少年ダヴィーが出逢ったのは、奇妙な制服を身に着けた満身創痍の少年たちだった。息も絶え絶えな彼らから預かったのは、一本の“通信管”。この出逢いが、ダヴィーの運命を、少年たちの未来を変えていく。美しく静謐な筆致で紡ぐ、希望と救済の一大スペクタクル。