あらすじ

来日するJ・J・ベリーという大物歌手のために極上のマンハッタン・カクテルを用意するよう、夜の帝王・大野屋から命じられた虹子は、伝説のバーデンダー・唐沢京介直伝のマンハッタンを作れる男を探しだした。リズのライバル・莉花もまた、極上のマンハッタンを作るバーデンダーを用意した。さあ、J・J・ベリーは誰のカクテルを手にするのか!?
虹子ララバイ(1)

夫の貴志が交通事故で死んだ。彼の両親から遺骨のひとかけらも貰えなかった町子は、お腹の子どもとともに、どんなことがあっても生き抜くことを決意する。そして一年後、夜の街の”華”を目指し、幼馴染のキャバレーあがり・光子とともに思い出の新小岩を離れ、「虹子」という源氏名で夜の錦糸町を生き始めた!虹子の名をかみしめながら…。

虹子ララバイ(2)

来日するJ・J・ベリーという大物歌手のために極上のマンハッタン・カクテルを用意するよう、夜の帝王・大野屋から命じられた虹子は、伝説のバーデンダー・唐沢京介直伝のマンハッタンを作れる男を探しだした。リズのライバル・莉花もまた、極上のマンハッタンを作るバーデンダーを用意した。さあ、J・J・ベリーは誰のカクテルを手にするのか!?

虹子ララバイ(3)

虹子、お光、宏美の三人は、次の舞台を新宿の「藍子」に選んだ。しかしそこは、藍子ママの座を狙うちいママ・ちづると店長の陰謀が渦巻く店だった!歴代の藍子ママだけが持つことができる藍染めの扇が7本が7人の審査員に一本ずつ届き、藍子の後継者を審査員が選ぶ「藍扇贈り」が始まった!虹子とちづる――藍子ママの座に輝くのは、どちら!?

虹子ララバイ(4)

三人が次に選んだ舞台は銀座。雇われの身だったが、ついに虹子はママとなった。しかしその店は、政界をもその指一本で動かすと言われるセブン・グループの総帥を自在に操りのし上がった銀座の女帝が仕切る、完全会員制の高級娼婦斡旋所だったのだ!虹子はここで華になれるのか!?

虹子ララバイ(5)

女帝のパトロンに近づいたために屈辱的なお仕置きを受け、更に澪には、辞表を出さなければ死んだ貴志の実家に居場所を密告すると脅され、窮地に追い込まれた虹子。それでも仕事から逃れることはできず、ついには澪の設けたタイムリミットを過ぎてしまう…。そして孫を奪うため、貴志の母親がやって来た!!

虹子ララバイ(6)

週刊誌に、虹子のクラブ「逢瀬」についてのゴシップが掲載された。誰かが虹子の名前を騙って、虹子を落とし入れようとしていたのだ。この騒動は「逢瀬」存続の危機でもあった。「逢瀬」をスキャンダルの汚名のまま潰したくない女帝は、銀座の女として最後の意地を見せようとするのだが…。

虹子ララバイ(7)

三人が次に選んだ舞台は吉祥寺。一度は消した「なないろ」の灯を灯した虹子だったが、突如、その店がキャンセルされてしまう。店舗の持ち主・雪乃は「自分を満足させる日本酒を持ってくることができたら店舗をただで貸す」と言い出し、そこから虹子たちの日本酒探しが始まった!

虹子ララバイ(8)

雪乃が死んだ。それによってたくさんの動産と不動産を相続した娘の沙樹は、いよいよファッションビルのオーナーになる夢を叶えようとしていた。しかしそんな野望を阻むのは、虹子に売却されていた「なないろ」の土地10坪であった。雪乃からの遺言「この土地を守り通せ」を胸に、虹子は沙樹との戦いに挑む。

虹子ララバイ(9)

場所を変え、「なないろ」は六本木で再開した。昼も夜も愛娘・愛美と一緒に暮らせるようにとはじめた「なないろ」だったが、いつの間にか愛美を他人に預け、愛人稼業をして手に入れた一軒の店になっていた。開店はしたものの、かつての良き理解者であったママたちが来ないことに、虹子は不安を隠せない!!

虹子ララバイ(10)

虹子とお光は「上岡」という居酒屋で働き始めた。しかし、専務にプロポーズをされた虹子と、三枝に夢中になっていくお光の間に、徐々に溝が深まり、お光は自分の幸せのために家を飛び出す。お光を心配した虹子は三枝に連れられ、彼女を探しに出かける。そんな時、愛美の身にも危機が!?

虹子ララバイ(11)

三枝の罠にはまり、ヤクザに監禁され、麻薬漬けにされていた虹子を救ったのは清和会の緒方だった。お光を取り返し、愛美のもとへ帰ることだけを信じて奇跡の回復を遂げた虹子。しかし虹子が留守にしていた10日間の間に、愛美は貴志の両親の手で連れて行かれていた…。

虹子ララバイ(12)

虹子とお光が最後の舞台に選んだ土地はススキノ。しかし激しい疲労と衰弱のため、虹子は倒れてしまう。入院中、今までいかに愛美に寂しい思いをさせていたかということを思い知った虹子は、ようやく愛美を貴志の実家に預かってもらう決断をする。そして愛美を手放した虹子の前に現れたのは…。