あらすじ

守天流柔術“速贄”で見事に地区予選では優勝したものの、全日本柔道選手権本選出場の条件として、“特別”昇段試験を課せられた柔術家・水澤。しかし、昇段試験とは名ばかりで、相手をする連中はどう見てもまともではなく、いわゆる「つぶし屋」だった。
関節王(1)

工事現場で働き、鳶職仲間から「オヤッサン」と親しまれる38歳の男、水澤完。その傍らにいつも寄り添う娘の映美。実は水澤は古流柔術「守天流」の継承者であり、奥義を極めた柔術家であった。水澤はある志を秘め、他流である全日本柔道選手権に出場する。

関節王(2)

守天流柔術“速贄”で見事に地区予選では優勝したものの、全日本柔道選手権本選出場の条件として、“特別”昇段試験を課せられた柔術家・水澤。しかし、昇段試験とは名ばかりで、相手をする連中はどう見てもまともではなく、いわゆる「つぶし屋」だった。

関節王(3)

邪気に満ちた昇段試験を、救急箱を抱きかかえながら見守る絵美。「これは父のためではなく、あなたがたのためです」と言い切る娘の言葉どおり、父の完は次々に守天流の技を繰り出して敵を倒し、さらには、その歪んだ心すらも癒していく。

関節王(4)

日本武道館での全日本柔道選手権本選で優勝するとともに、空気が澱みつつあった現代柔道の総本山“興道館”にも一陣の風を吹き込んだ水澤完。しかし、挑戦はそれでとどまることなく、総合格闘技新団体R.F.Aの旗揚げ戦に参加するという。

関節王(5)

わけあって、総合格闘技の試合出場の前に、極光杯空手選手権に挑戦することとなった柔術家・水澤完。投げや関節技の制約で思いのほか苦戦するが、実はその大会にこそ、彼が自らの手で葬らなければならない“守天流の影”が現れようとしていた。