妻が頭痛で寝込んだため、娘のよし子を残し長男の一郎を連れて会社に向かった男。途中で一郎とはぐれ、会社では麻雀と道路上の競艇に興じていた。家では妻がよし子を折檻死させ、やっと会社に顔を出した一郎は、エレベーターのボタンを押し間違えて、男を一番下にある地獄へと陥としてしまう。日常に潜む(?)阿鼻叫喚の不条理漫画。「地獄のサラリーマン」他に「地獄島から来た女」「墜ちるべき人」「才能地獄」「自立する女」「地獄の黙示録」「笑う死神」「地獄のサラリーマンPart2」「少女死すべし」「少女地獄」「犯罪天国」「地獄に堕ちた教師ども」「地獄を見た男」を収録。
名作の呼び声が高い『地獄のサラリーマン』がやはり面白い。徹底して不条理ながら変なリアリティがあって怖くなる。 子供がエレベーターで不意に押した地獄行きのボタンで地獄に行ってしまう最後。何故そこに地獄行きのボタンがあるのかも、何故主人公が地獄に行かねばならなかったのかも説明されない。そこに深い意味はなく、「ただそういうもの」であり、現実世界も同じことなのだろう。 こんな漫画を描いてる人がテレビでは親しまれてるというのが良い。寛容さなのかキャラで許されてるのか単に知られてないだけなのか。。