あらすじ

霧に煙るハイランドの城。闇を切り裂く叫びに家臣らが駆けつけたとき、城主の妻ケンナは胸壁の下で息絶えていた。子のできぬ妻を殺した残忍な“野獣”。コナー・マクレリーの噂は諸国を駆け巡り、近隣の氏族は娘を花嫁にさしだすことを恐れた。そんななか、弱小氏族の娘ジョスリンに逃れられぬ運命の白羽の矢が立った。花嫁となるべくコナーの城へつれて行かれた彼女に、コナーは繁殖用の雌馬の話でもするように告げた。「息子をひとり授かるまでベッドを訪れよう」、と。
ハイランドの野獣 1

霧に煙るハイランドの城。闇を切り裂く叫びに家臣らが駆けつけたとき、城主の妻ケンナは胸壁の下で息絶えていた。子のできぬ妻を殺した残忍な“野獣”。コナー・マクレリーの噂は諸国を駆け巡り、近隣の氏族は娘を花嫁にさしだすことを恐れた。そんななか、弱小氏族の娘ジョスリンに逃れられぬ運命の白羽の矢が立った。花嫁となるべくコナーの城へつれて行かれた彼女に、コナーは繁殖用の雌馬の話でもするように告げた。「息子をひとり授かるまでベッドを訪れよう」、と。

ハイランドの野獣 2

“妻殺しの野獣”コナー・マクレリーにさしだされたふたり目の花嫁ジョスリン。伯爵の爵位を賜る彼にとって必要なのは跡継ぎだけ。取引き結婚にふさわしい、みじめな初夜を過ごす。子どもを産まなければ私も殺されてしまうのかしら。まっすぐなジョスリンは城の人々に受けいれられていくが、ある日気づいてしまう。野獣の裏に秘めた不器用なやさしさを。そして、もうひとつ――彼は私にキスをしない。せつなく感じる自分の心に戸惑うジョスリン。私は夫に恋をしたの…?