あらすじ

絶望のあまり死を決意したダンテスの耳に、壁を削る音が聞こえてくる。互いに壁を削り続けた結果、遂に牢獄同士の壁を貫通させ、ダンテスはフェリア神父と顔を会わせる事に成功した。地下牢を行き来して、神父の偉大さに感化されていくダンテス。二人は脱獄を計画したが、神父は病気で断念せざるを得なくなった。神父はダンテスに望みを託し、モンテ・クリスト島に眠る莫大な財宝の在処を教えて死ぬ。復讐の鬼となったダンテスは、神父の屍にすり替わって脱獄した!
巌窟王(1)

1815年、商船ファラオン号に一等航海士として乗り込んでいたエドモン・ダンテスは、重病のルクレール船長からエルバ島に流されている元皇帝ナポレオンへの小包を託された。ダンテスはエルバ島に渡り、ナポレオンから一通の手紙を預かる。航海を終えたダンテスは、船主モレルから死んだクルレール船長の後任を命じられたが、彼を妬む会計係のダングラールが、メルセデスに横恋慕するフェルナンを唆し、ダンテスがナポレオンと接触した事を当局に密告させ…。

巌窟王(2)

父親、恋人メルセデス、船主モレルの願いも虚しく、海の牢獄シャトー・ディフの地下に囚われ続けるダンテス。その間ビルフォールは、ナポレオンのフランス進攻の情報をもって、皇帝に謁見した。エルバ島を出たナポレオンは、一度はフランス皇帝の座に返り咲くが、ワーテルローの戦いに敗れ、セント・ヘレナ島に流される。ダングラールはナポレオンの百日天下の間に抜け目なく財を成し、地位を築いた。だがモレルのダンテス釈放の嘆願書は、ビルフォールに握り潰され、ダンテスの父親は苦悩の中で死んだ。ダンテス、メルセデスの苦悩の日々は続く。

巌窟王(3)

絶望のあまり死を決意したダンテスの耳に、壁を削る音が聞こえてくる。互いに壁を削り続けた結果、遂に牢獄同士の壁を貫通させ、ダンテスはフェリア神父と顔を会わせる事に成功した。地下牢を行き来して、神父の偉大さに感化されていくダンテス。二人は脱獄を計画したが、神父は病気で断念せざるを得なくなった。神父はダンテスに望みを託し、モンテ・クリスト島に眠る莫大な財宝の在処を教えて死ぬ。復讐の鬼となったダンテスは、神父の屍にすり替わって脱獄した!

巌窟王(4)

14年間の地下牢生活から解放されたダンテスは、密輸船に拾われ操船の腕を買われて仲間に入れられた。モンテ・クリスト島に上陸したダンテスは、負傷したと偽って独り島に残り、財宝を入手する。変装して仇の一人カルドスに会ったダンテスは、復讐すべき者どもの名を聞きだした。古い恩人・モレルが破産の危機に瀕していることを知り、ダンテスは彼の借金を全て清算し、難破したファラオン号も復活させる。恩には報いた。後は復讐のみ!

巌窟王(5)

モンテクリスト伯となったダンテスの正体に気付く者はいなかったが、メルセデスだけは彼がダンテスであることに気付き、悩む。まずダンテスは、ダングラール銀行に口座を開くと、スペイン内乱の偽情報を流してスペイン公債を売りまくらせ、大損害を与えた。ビルフォードとタングラール夫人の間に生まれた不義の子・ベネデットを引き取り、自分の侍女エデがギリシャ地方の国王の娘で、フェルナンのために父を殺され財宝を奪われた上、奴隷に売られたことを知る。多くの復讐が、ダンテスに委ねられる!

巌窟王(6)

エデの国がフェルナンの裏切りによって崩壊したことが新聞に載り、フェルナンは失脚。激怒したアルベールはダンテスに決闘を申し込むが、母・メルセデスの告白を受けて和解した。妻と息子に去られたフェルナンは自殺。カドルス殺しで捕まったベネデットは、法廷で判事のビルフォールが自分の父であることを告発し、挙句発狂した。銀行を棄て、逃げたダングラールは、山賊に捕まってしまう。復讐の終わったダンテスは、モレルの息子と恋人にモンテ・クリスト島と宮殿を与え、彼を愛するエデとともに旅へ…。岩窟王、堂々の完結!