かつて、兄弟を裏切った父がいた。母は兄弟を残して逝ってしまった。残された兄弟は、母を捨てた父に復讐を誓い、日々を生きてきた。そんなある日、兄弟は一人の少女と出会う。これまで自分達に寄ってきた女達とは「どこか違う」彼女にやがて、二人は心惹かれていく…。
沙羅という少女との出会いは、確実に兄弟の思いに変化をもたらしていた。すでに兄弟は、沙羅がいることに今までにない感情を抱いていた。しかし兄弟には父への復讐という、捨てきれない思いも根付いていた。その二つの思いに戸惑う兄弟に、衝撃の事実が飛び込んでくる……。
沙羅の母親は、父を誘惑し、自分達兄弟を捨てさせたきっかけを作った張本人だった…。復讐の相手の娘が、兄弟の心に深く関与して、復讐と愛の板挟みとなり苦しめていく。それは沙羅も同じで、自分がいることによって二人を苦しめ続けると悟っていた。そして沙羅がとった「最善の方法」とは…。
沙羅自らが、二人の元から去る決意をする。しかし、彼女の背後に不穏な陰が…。運命にもてあそばれた三人が、最後にたどり着く場所とは…? 長編ラブストーリー、ここに完結。